乳牛における線形審査形質等の遺伝的パラメータと遺伝的グルーピング

タイトル 乳牛における線形審査形質等の遺伝的パラメータと遺伝的グルーピング
担当機関 畜産試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 アニマルモデルREML法を用いて,泌乳形質と線形審査形質について遺伝的パラメータを推定した。さらに,遺伝相関をもとにした主成分分析を実施し,線形審査形質間の遺伝的グルーピングを行った。
背景・ねらい 効率的な酪農経営のためには、乳量、乳脂卒といった泌乳形質の改良のみならず、雌牛の連産性や生涯生産能力、あるいは体型資質などの形質の改良も不可欠である。そのためには泌乳形質以外の形質をも考慮した総合評価指数を作成する必要があるが、多数の形質を同時に考慮すると改良効率の低下を招きかねない。そこで、総合評価において考慮する形質を選定するために、牛群検定コードとホルスタイン登録協会の牛群審査データを結合したデータセットから、牛群コードをもとにランダムに4804件のデータを抽出し、泌乳形質と線形審査形質について、アニマルモデルREML法を用いて遺伝率と遺伝相関を推定した。また、遺伝相関行列をもとに主成分分析を用いて線形審査形質間の遺伝的グルーピングを行った。
成果の内容・特徴
  1. 線形審査形質の遺伝率は「高さ」の0.46を最高に、「尻の角度」、「体の深さ」などで中程度の値が推定された。一方、「蹄の角度」、「後乳房の幅」、「後肢側望」では0.1前後の低い値が推定された(表1)。
  2. 泌乳形質と線形審査形質間の遺伝相関は、乳量と「乳房の深さ」の間で‐0.62、SNF量と「乳房の深さ」の間で‐0.52と中程度の負の相関を示した以外は大きな負の相関は認められなかった。また、乳脂量と「後肢側望」、「鋭角性」、蛋白質量と「後肢側望」、「蹄の角度」、「後乳房の幅」、SNF量と「後肢側望」、「後乳房の幅」との間にそれぞれ0.3以上の相関が認められた。線形審査形質間の遺伝相関は、「高さ」、「強さ」、「体の深さ」、「尻の幅」のそれぞれの間で0.7以上の相関が認められ、さらに、「高さ」と「鋭角性」で0.76、「鋭角性」と「尻の幅」で0.57、「高さ」と「後乳房の幅」で0.51、「後肢側望」と「後乳房の幅」で-0.55の遺伝相関が認められた(表2)。
  3. 線形審査形質における主成分分析の結果を第1主成分と第2主成分をもとにブロットしたところ、「高さ」、「強さ」、「体の深さ」、「鋭角性」、「尻の幅」、「後乳房の幅」のグループと、「後乳房の高さ」、「乳房の深さ」、「乳房の懸垂」、「前乳房の付着」、「前乳頭の配置」のグループに大別された(図1)。
成果の活用面・留意点
      本研究の成果は「総合的遺伝評価のための基礎情報整備検討会」を通して、総合指数
      (Nippon Total Profit lndex:NTP)策定のための基礎資料とされた。現在、総合指数は家畜改良センターで算出され、「乳用種雄牛評価成績」等で公表されている。
図表1 226007-1.jpg
図表2 226007-2.jpg
図表3 226007-3.jpg
カテゴリ 経営管理 乳牛

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