ウシ妊娠関連糖タンパク質の胎盤における遺伝子発現と妊娠期の血中濃度

タイトル ウシ妊娠関連糖タンパク質の胎盤における遺伝子発現と妊娠期の血中濃度
担当機関 畜産試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 ウシの妊娠関連糖タンパク質(PAG)の遺伝子は、妊娠26日令の胎膜で既に発現が認められ、妊娠初期から末期までの間、胎盤で発現していることがPCR法で確認された。末梢血中のPAGは妊娠20日前後から検出され、妊娠が進むにつれてその濃度が著しく増加してゆき、分娩時に最高値に達することが明らかになった。
背景・ねらい 妊娠関連糖タンパク質はアスパルティックプロテアーゼファミリーに属するタンパク質で、胎盤で産生されて末梢血中に出現する。このタンパク質は生理作用が未解明であるが、妊娠期の末梢血中に検出されることから、胎盤機能の評価指標となり得るものと期待されている。
本研究では、妊娠各時期の胎盤組織におけるPAG遺伝子の発現を検索するとともに、妊娠初期から末期までの血中PAG濃度の消長を調べた。
成果の内容・特徴
  1. PAGの遺伝子発現は、妊娠26日の胎膜に既に認められ、妊娠末期まで発現が継続する。発現は胎盤の絨毛叢と子宮小丘に認められるが、子宮内膜上皮や粘膜下織には認められない(図1)(図2)。
  2. 末梢血中のPAGは妊娠20日前後に約1ng/mlの濃度で検出され、妊娠の経過とともに漸増し、分娩の約20日前から急増して、分娩日には1~2μg/mlの濃度に達する(図3)。
  3. 単胎と双胎妊娠牛を比較すると、双胎妊娠牛の方が血中PAG濃度が高く、分娩直前の上昇がより急激である(図3)。
成果の活用面・留意点
    胎盤ではアスパルティックプロテアーゼファミリーに属する複数のPAG様分子が発現している事を考慮すると、今回RIAでPAGとして測定された分子の中にもPAGに類似したアスパルティックプロテアーゼファミリー分子が含まれていた可能性がある。
図表1 226047-1.jpg
図表2 226047-2.jpg
図表3 226047-3.jpg
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