タイトル | ウシ未受精卵子の極めて生存性の高い凍結保存法 |
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担当機関 | 畜産試験場 |
研究期間 | 1999~1999 |
研究担当者 |
Krzysztof Papis Saha Sukumar 居在家義昭 志水 学 |
発行年度 | 1999 |
要約 | ウシ未受精卵子をマイクロドロップレット法により凍結保存することによって,実用可能な融解後の高い生存率と体外受精後の高い発生率が得られる。凍結保存した卵子は体外受精後,受胚牛に移植すると正常な産子が得られる。 |
背景・ねらい | 近年,生体のウシより超音波ガイドを用いて卵子を採取する技術が確立され,この技術を使うことによって同一個体の卵子を用いたクローン動物の作出が可能となる。しかし,1回に生体より採取できる卵子数は10個程度と少ないため,効率的に核移植を行うためにはこれらを凍結保存し,卵子数をある程度まとめてから行うのが有効である。そこで,ウシ未受精卵子をガラス化液とともに直接液体窒素へ滴下するマイクロドロップレット法を用いた生存性の高い凍結保存方法を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 成熟培養22-24時間目に卵丘細胞を除去したウシ未受精卵子を,1,2,3,4,5,6%の各濃度のエチレングリコール(EG)に12?16分間平衡後,凍結保護溶液(5.5M EG + 1Mシュークロース)へ30秒間浸し,液体窒素中に少量(4-8μl)の凍結保護溶液とともに直接滴下し(マイクロドロップレット法),保存した。融解及び凍結保護溶液の除去は38.5℃の20%FCS加TCM199で5分間行った。融解後の生存率はいずれも90%以上であった。その後卵子を体外受精して胚盤胞への発生率を調べたところ,3%のEG溶液で平衡後凍結保存した卵子は,凍結保存していない卵子(対照区)と同程度の高い発生率を示した(図1)。 2. 図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本法はウシ未受精卵子の実用的な凍結保存方法である。この方法を用いることにより,ウシ未受精卵子の長期保存が可能となり,クローン牛作出の効率化や希少な遺伝資源の保存に貢献できる。 |
図表1 | |
図表2 | |
カテゴリ | 遺伝資源 |