牛乳中の放射性核種の濃度の推移とその低減化対策

タイトル 牛乳中の放射性核種の濃度の推移とその低減化対策
担当機関 畜産試験場
研究期間 1961
研究担当者 宮本 進
西村宏一
山岸規昭
三橋俊彦
須藤まどか
西口靖彦
兼松伸枝
上野孝志
田鎖直澄
発行年度 1999
要約 原料乳中のストロンチウム-90 (90Sr)、セシウム-137(137Cs)の分析の結果、137Csは1986年のチェルノブイリ原発事故時に最高値になり、その後4~5年で減少し、現在の測定値は、90Sr、137Csとも非常に微量なレベルに下がっている。また、乳牛へバーミキュライトを給与することにより、牛乳中の137Cs濃度を低くすることができる。
背景・ねらい 本課題は、科学技術庁、農水省等の研究機関が担当している「環境放射能安全 研究」の一部として実施している。畜産分野では、各国の核実験・原子炉事故等による牛乳等畜産物の放射性核種による汚染が懸念されていることから、食品の安全性確保の一環として、牛乳中の放射性核種の分析を継続して実施し、経年変動等の基礎資料を得ることが必要である。
通常測定としては、半減期が長く、生体機能への影響が考えられる、90Sr、137Csを[対象]としている。緊急時(原子炉事故等)においては、137Csと半減期が短い核分裂物質の一つで、汚染の短期的な指標に適するヨウ素-131(131I)を[対象]としている。なお、牛乳中の137Cs濃度の低減化対策についても検討している。
成果の内容・特徴
  1. 昭和36年以来、約40年間にわたり当場および8道県(北海道、岩手、秋田、福島、静岡、福井、香川および福岡)の協力により得られた原料乳中の放射性核種 (90Sr、137Cs)の測定を実施し、核実験等の影響を受けた微量の131Iを除き、これら元素が長期間検出されている。現在は、90Sr、137CsともN.D(検出不可)~50mBq/L(平10)程度と非常に低いレベルで推移している(図1および図2)。
  2. 原子炉事故、中国の核実験等の緊急時の測定を実施してきたが、最近では、1986年の旧ソ連の原発事故後の影響が大きかった(137Cs)(図2)。
  3. 牛乳中の137Csを低減させる試みとしては、土壌改良材のバーミキュライトを泌乳牛に給与する試験を北海道農試と共同研究として5回実施した。その結果、バーミキュライトを300~600日/頭を飼料に混合して給与することにより、牛乳中の137Cs濃度は、給与前の濃度の60~80%となり、減少効果が認められた(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 核実験・原発事故等の緊急時においては、牛乳等の畜産物も放射性物質により汚染される可能性があり、迅速にそれら試料中の放射性物質の測定を行うことにより、牛乳、畜産物の放射能汚染対策のためのデータとして活用できる。
  2. 現在の原料乳中の90Srと137Csのレベルは、政府が定めている食品中の放射性物質の規制値の約1万分の1程度の微量なレベルに下がっている。これらのデータは牛乳の安全性確保のための基礎資料として活用でき、今後も通常および緊急時における分析を実施することが必要である。
図表1 226079-1.gif
図表2 226079-2.gif
図表3 226079-3.gif
カテゴリ 土壌改良 乳牛

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