タイトル | フィターゼの利用による肥育豚からのリン排泄量の低減 |
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担当機関 | 畜産試験場 |
研究期間 | 1999~1999 |
研究担当者 |
斎藤 守 山崎 信 村上 斉 |
発行年度 | 1999 |
要約 | トウモロコシと大豆粕を主体とした無機リン無添加の低有効リン飼料に、飼料添加用フィターゼを、1kg当たり1,000単位を添加して肥育豚に給与することにより、成長や骨の成分に悪影響を及ぼすことなく、リン排泄量を30%低減できる。 |
背景・ねらい | 家畜から排泄されるリン等の環境負荷物質が環境保全の面から大きな問題になっている。 豚の飼料は、植物飼料原料を主体として配合されており、これに含まれるリンの大半は、フィチンリンの形で存在している。フィチンリンの豚における消化性は極めて低いため、糞へリンが多く排泄され、環境負荷の一因になっている。 最近、フィチンリンを有効リンに加水分解する酵素(フィターゼ)が、微生物を用いて生産できるようになり、飼料添加物として認可されている。しかし、フィターゼのリン排泄量低減効果、成長や骨の成分への影響については、十分明らかにされていない。 そのため、フィターゼを利用して、豚の生産性は維持しつつ、リン排泄量を低減するための技術開発が必要である。 |
成果の内容・特徴 | 1. 図1)。 2. 図2)。 3. 以上の結果から、トウモロコシと大豆粕を主体とした無機リン無添加の低有効リン飼料に、フィターゼを1kg当たり1,000単位添加して肥育豚に給与することにより、生産性を損なうことな く、リン排泄量を30%低減できる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. フィターゼ添加により、飼料原料中のフィチンリンが加水分解されて有効リンに転換するため、 これに相当する量の無機リンの添加量を少なくする必要がある。フィターゼの飼料1kg当たり500~1,000単位の添加は、有効リン量として約0.08~0.12%に相当する(J.Anim. Sci., 74:1601, 1996)。 2. フィターゼを、飼料1kg当たり500~1,000単位の添加により、飼料1kg当たりのコストが約1.2 ~2.4円高くなる。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | コスト 大豆粕 とうもろこし 豚 |