イネいもち病菌のBACライブラリーの作製とゲノム解析への利用

タイトル イネいもち病菌のBACライブラリーの作製とゲノム解析への利用
担当機関 農業生物資源研究所
研究期間 1997~1998
研究担当者
発行年度 1997
要約 イネいもち病菌遺伝子のゲノムの99.999%をカバーするBACライブラリーを作製した(平均インサートサイズ120kb、18ゲノム相当)。本ライブラリーのゲノム解析利用法の一例として本病原菌のゲノム中のトランスポゾン分布を調べたところ、クラスターをつくって存在していることが示された。
背景・ねらい イネいもち病菌のゲノムサイズは38Mbpであり、効率的な遺伝子のクローニングにはインサートサイズの大きなライブラリーの構築が必要である。BAC(bacterial
artificial chromosome)ベクターは①100kb以上のDNA断片を挿入できる、②取り扱いが簡単である、③インサートDNAが安定しているといった様々な利点を備えている。本研究は、イネいもち病菌の高品質のBACライブラリーを作製し、イネいもち病菌の多様性解析や遺伝子のクローニング、ゲノム構造の解析に利用することを目的とした。
成果の内容・特徴
  1. BACベクターとライゲーションしたイネいもち病菌ゲノムDNAをE.
    coliに形質転換し、BACライブラリーを作製した。得られたライブラリーは5760クローンからなり、平均インサートサイズ120kbであった。このライブラリーは18ゲノム分に相当し、ゲノムの99.999%以上をカバーしていると考えられた(図1)。
  2. 作製したBACライブラリーを60枚のマイクロプレートにいれて冷凍保存するとともに、2枚の高密度レプリカメンブレン(8cmx12cm)に収めた。これにより効率的な遺伝子のスクリーニングが可能になった。
  3. 作製したレプリカメンブレンを用いてイネいもち病菌の5種類のトランスポゾンについてその分布を調べた(図2)。その結果、トランスポゾンの分布は均等ではなく、特定のクローン中に複数のトランスポゾンがクラスターを作って存在していることが明らかになった。
成果の活用面・留意点 今回、作製されたBACライブラリーを活用することにより、イネいもち病菌の病原関連遺伝子などのクローニングやゲノム構造解析研究が進展することが期待される。
図表1 226193-1.gif
図表2 226193-2.gif
カテゴリ いもち病

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