抗菌性ペプチドを利用した病害抵抗性素材の作出

タイトル 抗菌性ペプチドを利用した病害抵抗性素材の作出
担当機関 農業生物資源研究所
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 植物に新たな病害抵抗性を付与するために、昆虫由来の抗菌性ペプチド遺伝子をタバコに導入した。得られた組換え植物は、種々の病原細菌や病原糸状菌の感染に対して抵抗性を示した。
背景・ねらい 病原体感染による作物の被害は甚大であり、これに対処するため日常的な農薬の投与が必要である。従来行われてきた交配による耐病性品種作出法は、長期間を必要とすること、適切な耐病性遺伝資源が発見されていない場合も多いこと、不必要な形質も導人されてしまうことなどの限界がある。そこで、我々は遺伝子組換え技術を用いて、昆虫由来の抗菌性ペプチドを生産する病気に強い植物を作ろうとした。この手法は省農薬、省エネかつ環境にやさしい農業を可能にするものと思われる。
成果の内容・特徴
  1. 用いようとした抗菌性ペプチドは、大腸菌などのグラム陰性細菌のみならず、広範な植物病原細菌及び植物病原糸状菌の増殖も試験管内で抑えることを明らかにした。
  2. このペプチドを生産する遺伝子を導入し、恒常的かつ誘導的に抗菌性ペプチドを作る組換えタバコを多数作った。
  3. これらの組換え体に種々の病原細菌や病原糸状菌を接種したところ、抗菌性ペプチドを多く含む植物は抵抗性を示し、感染しても弱い病徴しか示さなかった。さらに、次世代にもこの抵抗性が遺伝していることを確認した(図1、図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 本研究により、毘虫由来の抗菌性ペプチドを導入することによって、植物に新たな病害抵抗性を付与することができることが証明された。この方法で、他の実用植物にも病害抵抗性を付与出来ると考えられる。
  2. 現在複数の研究室と共同でイネ、ホウレンソウなどにこの遺伝子を導入する計画が進行中である。
図表1 226200-1.jpg
図表2 226200-2.jpg
カテゴリ 病害虫 遺伝資源 シカ 省エネ・低コスト化 耐病性品種 たばこ 抵抗性 農薬 病害抵抗性 ほうれんそう

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