| タイトル |
チョウセンニンジン由来ペプチドの脂質分解におけるシグナル伝達の阻害 |
| 担当機関 |
農業生物資源研究所 |
| 研究期間 |
1997~1997 |
| 研究担当者 |
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| 発行年度 |
1997 |
| 要約 |
アドレナリンによって誘導される脂質分解を阻害するペプチドは、構造上の特徴から金属および糖との結合が予想された。ペプチドとこれらの親和性をキャピラリ-電気泳動法や表面プラズモン共鳴法を用いて調べたところ、強く結合した。脂質分解の阻害は、ペプチドが情報伝達経路上のこれらと結合するためによると結論された。
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| 背景・ねらい |
チョウセンニンジン由来テトラデカ酸性ペプチド(GPP)は、アドレナリンによって誘導される脂質分解を阻害する作用(インスリン様作用)がある。アドレナリンの情報伝達経路には、α-およびβ-レセプターの2つがあるが、GPPはどのように阻害するのか不明であった。GPPは酸性アミノ酸が多く、構造上の特徴から蛋白質のCa2+結合サイトとの相同性が示唆され、また、アデノシンキナーゼ(AK)および微生物由来の糖キナーゼのモチーフ2配列との相同性を示唆された。GPPのそれぞれの生体物質に対する結合が、レセプターとその情報伝達経路を阻害していると考えられた。そこで、天然のものと同じ配列を持つペプチドと幾つかの改変ペプチドを合成し、アフィニティーキャピラリー電気泳動法(ACE)および表面プラズモン共鳴法(SPR)等によってGPPの機能を解明した。
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| 成果の内容・特徴 |
- アドレナリンα-レセプターでは、細胞内へのCa2+の取込を増加させることによって脂質の分解を促進する。そこで、ACEによって二価カチオンとペプチドの相互作用を調べた(図1)。酢酸緩衝液(pH7以下)、リン酸緩衝液(pH6.5~pH8.5)、トリス緩衝液(pH8以上)を用いてその泳動度の変化を見た。ペプチドは二価カチオンの添加によって電気泳動度が変化するばかりでなく、pH6.8付近とpH7.6付近において、ペプチドの泳動速度が金属イオンの有無によって逆転することがわかった。
- ミセル動電クロマトグラフィーにおけるペプチドのSDSおよび二価カチオンに対する変化を調べた(図2)。一般に計算されるキャパシティーファクターは計算不能であり、ミセル濃度の上昇に伴い、ペプチドの立体構造が変化し、また二価カチオンの有無によっても変化することがわかった。
- 幾つかの変異ペプチドを化学合成し、それぞれについての性質を調べ、本来のペプチドの性質と比較した(表1)。各酸性アミノ酸および連続するグリシン残基が重要な働きをしていることが示唆された。
- 各レセプターに対する阻害の程度を推定するために、ACE法によってペプチドの二価カチオンに対する結合定数を算出した。また、ACE法およびSPR法によってリボ-スおよびアデノシンに対する結合定数を算出し、それぞれ比較した(表2)。
- 以上より、このペプチドは二価カチオンに対する結合能があるので、Ca2+を取り込むことを促進させるα-レセプターの作用を阻害すると考えられる。また、リボースに対しても結合能があることから、それを一部に含む情報伝達物質であるサイクリックアデノシン3’、5’-リン酸の関与するβ-レセプターのシグナル伝達経路も阻害することが示唆された。
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| 成果の活用面・留意点 |
金属結合能とリボース等の糖に対する結合能は発表済みであるが、それらの結合定数等は未発表である。細胞における作用機構の具体的解析は進行中であるので、取り扱いについては留意されたい。また、このペプチドをイネで発現させ、胚乳中の金属含有量を高めることによってその食味を改良する可能性が期待された。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| 図表4 |
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| カテゴリ |
にんじん
良食味
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