タイトル |
ほふく茎の伸長に優れるシバ新品種候補系統「南国9」 |
担当機関 |
草地試験場 |
研究期間 |
1993~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
全国から収集したシバ(Zoysia japonica Steud.)エコタイプの中から、高知県南国市由来の系統がほふく茎の伸長に優れることを見出し、栄養系選抜による新品種候補「南国9」として出願を行う。この特性は、草地の早期造成に寄与できるものと考えられる。
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背景・ねらい |
シバは傾斜地での放牧用草種として重要であるが、造成に時間と労力を要することが問題となっている。そこで収集した遺伝資源の特性を調査したところ、優れた特性を有する系統が見出されたので、特性を明らかにして種苗法による品種登録を行う。
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成果の内容・特徴 |
- 1991年から1992年にかけて全国の公立機関の協力を得て収集したシバ遺伝資源について形態・生理・生態的特性の評価を行った。
- この中で高知県南国市で収集したエコタイプ「南国9」は他の品種・系統から卓越した優秀性・区別性が認められた。
- 「南国9」の最大の特徴はほふく茎の伸長が速い点で、1個体当たりの最長ほふく茎長は定植後3カ月で0.63m、定植後1年1カ月で1.41mに達し、標準・対照品種中最も生育旺盛な「みやこ」の1.7倍~2.4倍であった(表1)。
- その他、ほふく茎が太いこと、葉長・葉幅が大きいこと、定植翌年には出穂しないことなどの特性に区別性が認められた。
- 「南国9」は栄養繁殖を前提としているため均一性・安定性ともに認められるので、種苗法による品種登録の要件を満たしていると判断し、出願した。
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成果の活用面・留意点 |
- ほふく茎の伸長が速い特性を活かし、シバ草地の早期造成や土壌保全用としての利用が見込まれる。
- 放牧適性、地域適応性については未検定のため、これから検定を実施する予定である。
追加情報シバ系統「南国9」は品種登録の審査中ですが、下記のように品種名が公表されましたのでご報告申し上げます。- 品種名:朝駆(あさがけ)
- 登録番号:第11608号
- 出願日:平成11年3月15日
- 出願公表日:平成11年8月26日
草地試験場・育種資源研究室
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図表1 |
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カテゴリ |
育種
遺伝資源
傾斜地
栽培技術
新品種
繁殖性改善
品種
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