タイトル |
イネレトロトランスポゾンを用いた遺伝子破壊系統(ミュータントパネル)の作出 |
担当機関 |
農業生物資源研究所 |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
イネレトロトランスポゾンTos17 を用いて、イネゲノム中の遺伝子を網羅する遺伝子破壊系統(ミュータントパネル)の作出を行った。破壊部位の特定が容易なため、イネゲノム塩基配列解析より推定された遺伝子の機能解析に応用できる。
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背景・ねらい |
最近、イネから培養により活性化されるレトロトランスポゾンTos17 が発見された。このトランスポゾンを用いて、イネゲノムを網羅する遺伝子破壊系統を作出し、遺伝子機能解析に用いることを目的とする。
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成果の内容・特徴 |
- これまでに約20000系統の日本晴遺伝子破壊系統を作出した。Tos17系統あたりの平均転移数は、7~10コピーであった。
- 作出した遺伝子破壊系統の一部を圃場に展開して、表現型の観察を行った(表1)。展開した系統のうち、約30%に何らかの形態的な変異が観察された。
- 圃場に展開した遺伝子破壊系統から系統ごとにDNAを抽出し、PCR法を用いて破壊部位の隣接領域を単離し、塩基配列を決定した。
- 決定した塩基配列をアミノ酸配列データベースに対して検索し、破壊された領域にコードされる遺伝子を推定した(表 2)。
- 破壊された遺伝子と、圃場で観察された表現型を比較することで、遺伝子の機能が解析できる。
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成果の活用面・留意点 |
- イネゲノム塩基配列解析で推定された遺伝子領域を破壊する系統の表現型を調べることで、新規遺伝子の機能解析に応用できる。
- レトロトランスポゾンによらない突然変異も比較的高頻度で出現するので、表現型との対応関係の確認に際してTos17 をプローブに用いた連鎖解析が必須である。
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カテゴリ |
データベース
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