DNA マーカーを用いたダイズシストセンチュウ・レース1 抵抗性の選抜法

タイトル DNA マーカーを用いたダイズシストセンチュウ・レース1 抵抗性の選抜法
担当機関 十勝農試
研究期間 1999~2001
研究担当者 田中義則
鈴木千賀
発行年度 2003
要約 ダイズシストセンチュウ・レース1抵抗性に関与する4領域のうちrhg1及びrhg4座近傍のマーカーを用いることで「下田不知系レース3抵抗性×PI84751由来レース1抵抗性」の組合せでマーカー選抜ができる。
キーワード ダイズシストセンチュウ、レース1、マーカー選抜
背景・ねらい ダイズシストセンチュウは、ダイズの土壌病害虫であり、化学的・耕種的防除は困難であるため抵抗性品種が必要である。現在、道内で被害が拡大傾向にあるレース1対する抵抗性は、関与遺伝子座が4対(rhg1、rhg2、rhg3、rhg4)と多く、抵抗性の選抜には多大な時間と労力がかかる。そこで、レース1抵抗性品種の早期育成のためDNAマーカー利用した選抜法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. PI84751由来のレース1抵抗性は、4遺伝子座支配(優性1対劣性3対)に適合する。
  2. レース1抵抗性の4遺伝子座に連鎖が推定されるマーカーは、Satt309:rhg1座(連鎖群G)、Satt359:rhg2 (B1)、Sat_022:rhg3 (D2)、Satt632:rhg4座(A2)〕である(表1)。なお、rhg2とrhg3は暫定的な定義である。
  3. rhg1座には、レース1とレース3抵抗性型の複対立遺伝子が存在する。
  4. レース1抵抗性の4座のうちrhg4座を除く3座がレース3抵抗性を支配すること、rhg1座には複対立遺伝子が存在することから、「下田不知系レース3抵抗性×レース1抵抗性」の組合せでは、rhg1座とrhg4座に連鎖するDNAマーカーで選抜が可能である。
  5. 「十系871号(レース1抵抗性)/十育233号//十育233号(下田不知系レース3抵抗性)」のマーカー選抜を利用した戻し交配を行い(図1)、マーカー選抜したBC3F219個体中、抵抗性の14個体を得た(表2)。rhg1座はSatt309のほか、Satt163とSat_141の確認が必要である(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. レース1抵抗性をレース3抵抗性の有望系統に早期導入する戻し交配に有効である。
  2. 今回得られた結果は「PI84751」に由来するレース1抵抗性を用いた技術である。
  3. マーカー選抜個体は、レース1抵抗性の育種素材または育種材料として利用できる。

図表1 226479-1.jpg
図表2 226479-2.jpg
図表3 226479-3.jpg
カテゴリ 病害虫 育種 害虫 大豆 DNAマーカー 抵抗性 抵抗性品種 防除

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる