近赤外分析法による動物質飼料の魚粉と肉骨粉の識別

タイトル 近赤外分析法による動物質飼料の魚粉と肉骨粉の識別
担当機関 (独)農業技術研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2001~2002
研究担当者 甘利雅拡
高田良三
松本光人
発行年度 2001
要約 近赤外分析法を用いて動物由来の配合飼料原料である魚粉と肉骨粉を高い精度で迅速にしかも簡易に識別できる。
キーワード 近赤外分析法、魚粉、肉骨粉
背景・ねらい 我が国における乳牛の牛海綿状脳症(BSE)の発生に伴って、配合飼料への肉骨粉の使用が法的に禁止されている。これに対応するため肉骨粉と配合飼料原料として利用されている動物性タンパク質飼料である魚粉との識別法を確立する必要がある。そこで近赤外分析法(NIRS)により魚粉と肉骨粉とを識別できるか否かを試みる
成果の内容・特徴 1.
2種類の魚粉(原料:マイワシ、カタクチイワシ)に2種類の肉骨粉をそれぞれ現物中%で10~ 50%の割合で混合した試料 24 点(検量線作成用12点、検量線検定用12点)を近赤外分析に供試した。近赤外分析(機種:NIRSystems model 6500)は、0.5mmメッシュを通過させた粒度の試料をStandard Cellに詰め、400~2500nmの領域について反射スペクトルを測定した。得られた近赤外スペクトルは二次微分処理し、重回帰分析法により検量線を作成した。作成した検量線を用いて検量線検定用試料の含有率(現物中%、乾物中%)を推定し、含有率と近赤外分析値との相関係数、標準誤差(SEP)およびRPD法(SD/SEP)から分析精度を判定した。
2.
NIRSによる魚粉と肉骨粉の識別では、肉骨粉含有率の現物中%および乾物中%は近赤外分析値との相関係数(r)および回帰推定からの標準誤差(SEP)は、現物中%でそれぞれr=0.998、SEP=0.91、乾物中%でr=0.999、SEP=0.63の高い分析精度を示した(表1、図1、2)。検量線の分析精度の信頼性を判定するRPD値についてみると、現物中%および乾物中%はそれぞれ20.3、30.6であり、化学分析に匹敵する精度であった。以上のことから魚粉と肉骨粉は、NIRSにより高精度に識別が可能である。
成果の活用面・留意点 1.
配合飼料原料である魚粉中の肉骨粉含有識別のためのスクリーニングに有効である。
2.
測定に当たっては、粉砕粒度を0.5mmで統一しサンプリング誤差を生じさせないよう留意する。
3.
本試験では魚粉および肉骨粉は限定されているため、さらなるデータの蓄積が必要である。
図表1 226759-1.gif
図表2 226759-2.gif
カテゴリ 近赤外分析 乳牛

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる