タイトル | 麦茶・緑茶飲料残さサイレージの栄養価 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 | 2000~2001 |
研究担当者 |
佐藤崇紀((株)伊藤園) 徐 春城 増田信義((株)伊藤園) 村井 勝 藤田泰仁 蔡 義民 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 乳酸菌とセルラーゼを添加して調製した麦茶飲料残さサイレージおよび緑茶飲料残さサイレージの発酵品質は優れている。これらサイレージの乾物中の可消化養分総量(TDN)はそれぞれ67%と71%である。 |
キーワード | 麦茶飲料残さ、緑茶飲料残さ、サイレージ、反芻家畜、栄養価、飼料利用 |
背景・ねらい | 消費者の健康飲料に対する志向が高まり、麦茶、緑茶、玄米茶、ウーロン茶の生産量は拡大し、飲料製造工場から排出される茶系飲料残渣の廃棄量は現在のところ、年間15万トンであるが、年々増加すると予想される。麦茶・緑茶飲料残さは焙煎大麦や緑茶を短時間に熱水で抽出するため、その残さにはかなりの栄養成分が残存し、家畜の飼料として有望であると考えられる。麦茶飲料残さ及び緑茶飲料残さを反芻家畜飼料として有効に利用するためには栄養価の解明が必要である。そこで、麦茶飲料残さおよび緑茶飲料残さをサイレージ調製しその栄養価を測定する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 乳酸菌とセルラーゼを添加した麦茶飲料残さおよび緑茶飲料残さサイレージはpHが3.56および3.49と低く、乳酸含量が1.05および1.55と高く、発酵品質が優れている(表1)。 2. 麦茶飲料残さおよび緑茶飲料残さサイレージの乾物中の粗タンパク質含量がそれぞれ18.3、31.3%と高く、ADF含量はそれぞれ22.7、21.5%で、大麦(日本標準飼料成分表:6.6%)と比べて3倍以上高い(表2)。 3. 麦茶飲料残さサイレージの消化率は、乾物が65.4%、粗タンパク質が27.0%、ADFが29.1%であり、乾物中のTDN含量および可消化エネルギー(DE)はそれぞれ67.3%、13.3MJ/kgで、TDN含量は大麦(84.1%)の約80%である(表3)。 4. 緑茶飲料残さサイレージの消化率は、乾物が70.6%、粗タンパク質が76.4%、ADFが50.2%であり、乾物中のTDN含量およびDEはそれぞれ71.1%、15.5MJ/kgで、TDN含量はビール粕(70.6%)と同程度である(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 麦茶・緑茶飲料残さサイレージを反芻家畜に給与するためのTMRメニュー設計の基礎数値として活用できる。 2. 消化率および栄養価は、メン羊を供試して測定した結果である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 大麦 茶 羊 麦茶 |