タイトル | 除草剤によるアズマネザサの抑圧 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 | 2000~2002 |
研究担当者 |
林 治雄 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 除草剤(グリホサートトリメシウム塩・ピラフルフェンエチル水和剤)によるアズマネザサの抑圧を試みた結果、750ミリリットル/水100リットル/10アール、7月処理が有効である。 |
キーワード | 雑草防除、除草剤、アズマネザサ |
背景・ねらい | 関東地域では管理放棄された雑木林やその伐採跡地にアズマネザサが繁茂し、公衆安全や景観の観点からも問題となっている。また、放牧利用も試みられているが、放牧だけではなかなか抑圧できないのが実態である。そこで、植生改善の促進に役立てる目的で除草剤によるアズマネザサの抑圧を試みた。 |
成果の内容・特徴 | 畜草研、藤荷田山地区のアズマネザサ優占地でグリホサートトリメシウム塩28.5%・ピラフルフェンエチル0.19%水和剤(商品名:日本農薬「サンダーボルト」、牧野・草地の造成・更新に適用承認)の濃度を4段階に変えて、7月23日、8月13日および両日に葉面散布処理した。処理前、処理3,6,9週目に植被率、群落高、各草種の被度と草高を測定した。 1. 処理前の植生は、全区平均で植被率85.4%、群落高25.8cmで、アズマネザサが73.3%を占める。前年に掃除刈りが行なわれたため群落高は比較的斉一であったが、アズマネザサ新桿やニガイチゴなど突出したもの、再生した長草型草本等もみられた。 2. 植被率は、非処理区では3週後に94.9%、6週後には98.0%になる。処理区では、800、1000区の7月処理6週後に25%に、800区の7,8月処理では12.5%に低下する。 3. アズマネザサの被度は、無処理区9週後には90.0%に達し、800区の7月処理3週後に30%以下に、9週後には20%以下に抑えられ、800区7、8月処理では15.0%になる。1000区でも800区に優る効果は無い(図では処理時の被度に対する相対値で示す)。 4. いずれの処理区においても出現種数は減少するが、その程度は400区で小さく、600以上の区では大差が無い。600以上の区では、いずれも草本類は殆ど抑圧できるが、木本類と葉面にロウ質やクチクラ層を持つアズマネザサ、ミヤコザサ、ヒメヤブラン等が生き残ることがある。 5. 以上から、アズマネザサ抑圧のためには、当該薬剤の承認適用濃度の限界である750ml/100l水/10aに展着剤を添加して、7月下旬までの処理が推奨される。8月に追加処理ができれば、なお良い。 |
成果の活用面・留意点 | 1. アズマネザサ分布地域で活用できる。 2. 一薬剤の結果事例である。処理後、刈り払いや牧草の追播などを行なうと良い。 |
図表1 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 いちご 雑草 除草剤 農薬 薬剤 |