タイトル | 畜舎排水浄化処理水のリン除去装置 |
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担当機関 | 生物系特定産業技術研究推進機構 |
研究期間 | 1998~2002 |
研究担当者 |
(株)共和化工 原田泰弘 古山隆司 根津昌樹 道宗直昭 福森功 名川稔 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 活性汚泥浄化処理装置等で浄化された処理水に含まれるリンを吸着剤に吸着させアルカリ溶液でリン酸塩として離脱・回収できるリン除去装置。吸着剤は再生利用でき、リン酸塩は濃縮して回収し、金属表面処理剤として利用できる。 |
キーワード | 畜産環境、畜舎排水、浄化処理水、リン、リン除去、リン酸塩、吸着剤 |
背景・ねらい | 活性汚泥浄化処理装置等で浄化処理された処理水は、水質汚濁防止法の排水基準以上のリンが除去されず残っているため、環境規制の厳しいところや1日当たりの平均排水量が50m3以上を越えるところでは河川等へ放流する際にリンを許容値まで除去しなければならない。そこで、浄化処理水に含まれるリンを吸着剤で吸着・除去し排水中のリンを低減するとともに、除去・回収したリンを資源として利用できるリン除去装置を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. リン除去装置は、2基のリン吸着塔と回収装置で構成される(図1、2、表1)。吸着塔にはリン酸イオンを優先的に吸着できる吸着剤(ジルコニウムフェライト樹脂)が充填されている。 2. リン除去方法は、浄化処理水を吸着剤に通してリンを吸着・除去し、吸着したリンをアルカリ溶液でリン酸塩溶液として離脱・回収する方法で、排水中のリンを水質汚濁防止法の排水基準(T-P:8mg/L)以下とすることができる(表2)。リンが離脱した吸着剤は再生利用が可能である。 3. 2基のリン吸着塔では、1基が吸着工程にあるとき別の1基は離脱・回収工程にあって、2基を交互に使うことで連続通水運転ができ、その処理能力は10 m3/日である。 4. 回収したリン酸塩溶液を冷却濃縮することによって、高品質のリン酸塩結晶(Na3PO4・12H2O)として回収できる。リン酸塩結晶は、金属表面処理剤として利用できる。 5. 運転費は処理水のリン酸イオン濃度が100mg/Lのとき、処理水1m3当たり約45円であり、リン酸塩結晶1㎏の生産費は約130円である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 高性能農業機械実用化促進事業を経て、平成15年度内に市販化の予定である。 2. 活性汚泥浄化処理装置(機能膜処理装置付き)の処理水を対象とし、リンの排水基準が求められる環境規制の厳しい地域に適用できる。 3. 20m3/日処理規模の装置はすでに製作しているが、それを越える場合は装置の増設により対処する。 4. 回収したリン酸塩はナトリウム塩であるため、この状態では肥料としての利用は困難である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 市販化 |