ニワトリ組織からの簡便なDNA抽出法

タイトル ニワトリ組織からの簡便なDNA抽出法
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2003~2005
研究担当者 田上貴寛
武田久美子
韮澤圭二郎
長嶺慶隆
発行年度 2003
要約 Tris(pH7.5)-EDTA溶液にTween 20およびProteinase Kを添加した抽出液を用いることで、ニワトリ組織から迅速にDNAが抽出できる。さらに抽出されたDNAは直接PCRに用いることができる。
キーワード DNA抽出、性判別、PCR、ニワトリ、家畜育種
背景・ねらい 生殖細胞キメラニワトリを作製する場合、ドナー細胞とレシピエント胚の性を一致させる必要があるが、移植可能なドナー細胞およびレシピエント胚の発生段階は2~5時間と短い。そのため細胞採取後できるだけ速やかに性判別しなければならない。そこで、初期胚組織の一部(0.1μg程度)または微量の血液(1μl程度)など少量の細胞から、迅速かつ簡便にDNAを抽出し、直接PCRに用いられる方法を開発する。
成果の内容・特徴 1.
Tris(pH7.5)-EDTA溶液にTween 20およびProteinase Kを添加したDNA抽出液を用いることにより、採材から35分以内でDNA抽出を行うことができる(図1、2)。
2.
界面活性剤として用いたTween 20は、PCRを阻害しないという特性を持っているため、抽出したDNAを精製することなく、直接PCRに用いることができる(図2、3)。なお界面活性剤としてSDSを用いた場合は、PCR反応は阻害されるため、フェノールによるタンパク質除去およびエタノール沈殿が必要である。
3.
本法は、タンパク除去およびDNA精製の作業が無いため、DNA抽出からPCRによる性判別の結果が得られるまでの時間を短縮できることから、生殖細胞キメラニワトリを作製する場合のドナー細胞とレシピエント胚の性判別に有効な技術である。
成果の活用面・留意点 1.
使用する試薬が安価で危険性も少ないことから、多数のサンプルを処理する際に低コストで迅速にDNA抽出ができる。
2.
性判別以外の用途で少量のサンプルからDNAを抽出する場合にも用いる事ができる。ただし、骨組織、精子については検討していない。
図表1 226870-1.gif
図表2 226870-2.gif
図表3 226870-3.gif
カテゴリ 育種 低コスト

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