タイトル | 近赤外分析法による化成肥料中に含まれる肉骨粉の定量 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
甘利雅拡 大谷文博 松本光人 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 化成肥料中に含まれる肉骨粉含有率は、近赤外分析法により0.5%程度の精度で迅速にしかも簡易に定量することができる。 |
キーワード | 近赤外分析法(NIRS)、化成肥料、肉骨粉、家畜、畜産環境 |
背景・ねらい | 我が国における乳牛の牛海綿状脳症(BSE)の発生に伴い、化成肥料への肉骨粉の使用が法的に禁止されている。化成肥料中に混入した肉骨粉の定量及び識別法は、これまで試みられた報告は少なく、迅速で簡易な手法はまだ確立されていない。そこで近赤外分析法(NIRS)により化成肥料中に混入した肉骨粉を迅速に定量する手法の開発を試みる。 |
成果の内容・特徴 | 1. 化成肥料4種に3種類の肉骨粉をそれぞれ0.1~10%の割合で混合した試料 124 点を近赤外分析に供試した。近赤外分析(機種:NIRSystems model 6500)は、1.0mmメッシュを通過させた粒度の試料をStandard Cellに詰め、400~2500nmの領域について反射スペクトルを測定する。得られた近赤外スペクトルは一次微分処理し、PLS(Partial Least Squares)回帰分析法により検量線を作成し、この検量線についてクロスバリデーション法により含有率を推定し、含有率と近赤外定量値との寄与率(RSQ-V)、標準誤差(SECV)およびRPD法(SD/SEP)から分析精度を判定する。 2. 単種の化成肥料における推定精度は、含有率と近赤外分析値とのRSQ-Vが0.993~0.997、SECVが0.174~0.291であり(表1)、4種類すべての化成肥料を対象とした試料群においても同様に、RSQ-Vが0.995、SECVが0.223(表1、図1)である。分析精度の信頼性を判定するRPD値は、11.7~19.5と高い分析精度を示し、これら化成肥料中に含まれる肉骨粉の含有率は0.5%程度の精度で定量できる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 実用場面における化成肥料中の肉骨粉含有量の迅速分析法として有効である。 2. 化成肥料には多種の原料が使われていることから、粉砕粒度を1.0mmで統一し、サンプリング誤差を生じさせないように留意する。 3. 化成肥料は、多種のものが市販されているので、汎用性の高い検量線の作成には、さらなるデータの蓄積が必要となる。 |
カテゴリ | 肥料 近赤外分析 乳牛 |