タイトル | 搾乳ユニット自動搬送装置 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター |
研究期間 | 1998~2003 |
研究担当者 |
オリオン機械(株) 後藤 裕 山名伸樹 福森 功 平田 晃 |
発行年度 | 2003 |
要約 | つなぎ飼い式牛舎内で、牛乳処理室から各牛の所までを結ぶレールを走行し、自動離脱装置付きの搾乳ユニット2基を2連のミルクタップまで自動搬送して接続し、2頭同時搾乳ができる装置。2頭のユニット離脱を検知して次の場所に自動的に移動する。 |
キーワード | 乳用牛、つなぎ飼い式牛舎、搾乳ユニット、自動搬送装置、2頭同時搾乳、飼養管理 |
背景・ねらい | 従来、つなぎ飼いは個体管理に有利である反面、多労であるため、家族労働2人では経産牛50頭程度が労力的に限界といわれてきた。規模拡大に伴い「ゆとりある酪農経営」が求められ、フリーストール・ミルキングパーラー方式や搾乳ロボットなどの普及が図られてきた。しかし、わが国では高額投資や広い土地基盤の確保などの導入条件にも制約され、成畜50頭規模以上の経営の約70%は、将来ともつなぎ飼いでの省力化を要望している。そこで、現状のつなぎ飼い式牛舎における搾乳作業を、搾乳ユニット運搬の自動化と2頭同時搾乳によって大幅に省力化することをねらいとする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 本装置は、牛乳処理室横に設置するホームポジションからパイプラインミルカーの各ミルクタップまでを結ぶ走行レール、レールを自動走行する搬送装置本体、搬送装置本体の左右に搭載する自動離脱装置付きの搾乳ユニットで構成される(図1)。 2. 対尻式牛舎、対頭式牛舎どちらにも設置可能で、50頭規模の牛舎では、搬送装置本体4台(8ユニット)が標準仕様である。ただし、設置台数は規模に応じて増減できる。 3. 搬送装置本体は左右に自動離脱装置付きの搾乳ユニット2基を搭載して自動搬送し(図1、図2)、所定の順序で牛の間に進入して2連のミルクタップと自動接続される。作業者は、左右の乳牛に乳頭清拭とティートカップ装着を行い、2頭同時に順次搾乳していく(図1、図3)。搾乳が終了し搾乳ユニットが自動離脱すると、搬送装置は、両側の搾乳ユニットの離脱を確認してから、次の場所へと自動的に移動する。作業を終えてホームポジションに戻ると自動充電される。 4. 搾乳ユニットは、搬送装置から外すことができ、搬送装置が故障しても搾乳作業が可能である。 5. 従来、つなぎ飼い搾乳では1人3ユニットが限界とされるが、1人で6~8ユニットを使って1時間当たり50頭前後の効率的な作業ができる(表)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 平成15年10月から市販化されている。 2. 牛舎天井高は2,600mm以上、通路幅は対尻式で1,600mm以上(*)、対頭式で1,200mm以上(*)確保する必要がある。 (*):通路で小さい作業台車を使う場合は、これに400mm以上の加算が必要となる。 3. ミルク配管勾配は、配管口径とユニット数により異なるので適正な勾配を確保する。 4. 乾乳牛や乳房炎牛を別にし、2頭ずつ搾乳牛を並べておくと作業が効率的に行える。また、問題牛等には、搾乳ユニットの自動離脱装置を手動に切り替えて対応できる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 規模拡大 経営管理 飼育技術 市販化 省力化 乳牛 ロボット |