タイトル | SSRマーカーによるトウモロコシ自殖系統の系列分け |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 北海道農業研究センター |
研究期間 | 2001~2005 |
研究担当者 |
榎宏征 濃沼圭一 三木一嘉 |
発行年度 | 2003 |
要約 | デント種とフリント種の系列間でバンドの出現頻度に40%以上の差がある25個のSSRマーカーを用いることにより、簡便で精度の高いトウモロコシ自殖系統の系列分けができ、組合せ能力検定の結果とよく一致する。 |
キーワード | トウモロコシ、デント、フリント、自殖系統、SSR、飼料作物育種 |
背景・ねらい | わが国のトウモロコシ育種では、デント種系列およびフリント種系列の自殖系統間の雑種強勢を利用したF1の育成が基本となっている。系譜情報が無い自殖系統や、複数の系列に由来するF1から育成された自殖系統の系列分けでは組合せ能力検定試験を行う必要があるため、多大な労力と時間がかかる。そのため、より簡便な系列分けの方法が必要である。 そこで、染色体上に偏りなく分布し、自殖系統間の近縁度解析に有効であることを確認している60個のSSRマーカーの中から、系列間でバンドの出現頻度に大きな差のあるマーカーを選定することで、より精度の高いトウモロコシ自殖系統の系列分け法を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 染色体上に偏りなく分布する60個のSSRマーカーのうち、デント種系列とフリント種系列との間でバンドの出現頻度に40%以上の差があるSSRマーカーが25個ある(表1)。 2. 選定した25個のSSRマーカーによる多型解析からデント種およびフリント種系列自殖系統との平均近縁度を算出し、それに基づいて系列分けを行うと、その結果は60個のSSRマーカーによる結果とほぼ一致する(図1)。 3. 25個のSSRマーカーによる系列分けの結果は実際の組合せ能力検定試験の結果とよく一致し、異系列間のF1組合せで収量や開花期に雑種強勢が強く発現する(表2、3)。 4. 以上のことから、25個のSSRマーカーを用いることにより、少数のマーカーで精度の高いトウモロコシ自殖系統の系列分けを行うことができる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 育成した自殖系統の組合せ能力検定のためのテスターの選択および自殖系統育成時の母材選定に活用できる。 2. 自殖系統のプロファイリング(形質データにDNAマーカーによる近縁関係の情報を組合わせたデータベース)の作成に活用できる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 育種 飼料作物 データベース DNAマーカー とうもろこし |