サイレージ用トウモロコシ一代雑種親自殖系統「CHU44」

タイトル サイレージ用トウモロコシ一代雑種親自殖系統「CHU44」
担当機関 長野県中信農業試験場
研究期間 1991~1994
研究担当者 佐藤 尚
澤野 史
重盛 勲
前島秀和
三木一嘉
池谷文夫
濃沼圭一
伊東栄作
発行年度 2004
要約 サイレージ用トウモロコシの親自殖系統「CHU44」(シーエイチユーヨンジュウヨン)を育成した。本系統は中生のフリント種で、ごま葉枯病抵抗性、すす紋病抵抗性および耐倒伏性が強く、一代雑種品種の親系統として利用できる。
キーワード トウモロコシ、自殖系統、フリント種、ごま葉枯病抵抗性、すす紋病抵抗性、耐倒伏性、飼料作物育種
背景・ねらい 日本在来フリント種は我が国の環境への適応性が高く、デント種との間に高いヘテロシスが期待でき、茎葉消化性も高いことから親系統として利用されている。しかし耐倒伏性に劣ること、および寒冷地向け系統の育成が暖地・温暖地向けに比べ進んでいないことが問題とされていた。そこで耐倒伏性に優れ、各種病害抵抗性も備えた、寒冷地への適応性も高いフリント種の優良自殖系統の育成を目標とした。
成果の内容・特徴
  1. 改良集団「MF91-8」を母材とし、病害抵抗性、耐倒伏性などについての選抜と自殖により育成した。母材選抜からS3世代までを九州農試で実施し、S4世代以降を長野県中信農試で実施した。
  2. 早晩性は関東・東山では「中生の晩」に属する(表1)。
  3. ごま葉枯病抵抗性およびすす紋病抵抗性はいずれも「強」である。黒穂病の発病はやや多い(表2)。
  4. 耐倒伏性は「強~極強」で、折損も少ない(表3)。
  5. 花粉の飛散は良好で、採種量は実収量で27.0kg/aとフリント種の「Na30」と同程度である。雌穂長はやや長く、雌穂径はやや細い。粒列数は平均13.2である(表1)。
  6. 稈長は高く、着雌穂高はやや低く、稈径はやや太い(表1)。
  7. 本系統を片親とする単交雑F1組合せの乾物収量は同熟期の普及品種「セシリア」と同程度である。本系統を花粉親とする単交雑系統「長交C949号」はごま葉枯病抵抗性およびすす紋病抵抗性に優れ、茎葉TDN含量が高く、同熟期の普及品種「セシリア」と比べて推定TDN収量が高い(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. サイレージ用トウモロコシF1品種の花粉親系統として利用できる。
  2. 黒穂病抵抗性は弱いので、単交雑F1作成時の交配相手には本病抵抗性の強い系統が望ましい。
図表1 226952-4.gif
図表2 226952-5.gif
図表3 226952-6.gif
図表4 226952-7.gif
カテゴリ 育種 ごま 飼料作物 抵抗性 とうもろこし 病害抵抗性 品種 ぶどう

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる