タイトル | 豚肉部位別自給率の推計 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 | 2002~2006 |
研究担当者 |
荻野暁史 賀来康一 島田和宏 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 豚肉の部位別国内自給率は、1988年から2000年にかけて、「ひれ」が63.1%から32.2%へ、「ロース」が56.2%から26.1%へ顕著に低下した。豚肉の国内生産は、テーブルミートとしての消費ニーズに応じ、部位別需給のアンバランス解消を目指す必要がある。 |
キーワード | 技術評価・情報、部分肉流通、ひれ、ロース、自給率、ブタ |
背景・ねらい | 豚肉の国内流通は、国産と輸入のいずれも部位別の部分肉流通が中心であるにもかかわらず、輸入部分肉の部位別輸入量と部位別価格に関する政府の統計資料は存在しない。さらに、民間輸入業者のデータは一般には非公開で入手困難であることから、本邦において、部分肉の部位別流通に関する調査研究は実質的に不可能であった.そこで、国内での豚肉の部位別流通を明らかにする目的で、日本食肉貿易研究所が国内の代表的輸入商社37社へ実施した聞き取り調査結果と輸出国関係機関から提供をうけた資料をもとに推計した結果を使用し、流通実態にあった豚肉の部位別自給率を算出した。 |
成果の内容・特徴 | 1. 1988年から2000年までの国内の豚肉部位別流通量を国産と輸入に分類し、部位別輸入量と国内流通量(国産と輸入の合計)の推移について、部位別に計算した結果を表1に示した。 2. 国産豚部位別重量の推計については、部位別の部分肉重量=等級別枝肉生産量×等級別格付け比率×等級別部位別歩留まり率として算出した。輸入豚肉の部位別輸入量の推計に使用した資料については、チルドと冷凍をすべて含み、「かた」はカラー、バット、キャピコーラ、ピックニックを含み、「その他」はシャンク、クッション、ジョール、スペアリブ、リブレットを含むとして算出した。 3. 1988年から2000年に、豚肉部位別国内流通量の合計は143万トンから155万トンへ微増し、自給率は、77.7%から58.0%へ低下した。2000年の豚肉部位別自給率は、「ひれ」26.1%、「ロース」32.2%、「ばら」54.4%、「かた」73.4%、「もも」95.0%であり、「ひれ」と「ロース」の自給率が顕著に低下した(表2)。日本人の豚肉消費の部位別嗜好性が「ひれ」と「ロース」に偏在することにより、国産豚肉に部位別の需給の不均衡が拡大し、豚肉輸入量が拡大した。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 豚部分肉流通の実態を把握する際の基礎資料となる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | カラー ばら 豚 もも 輸出 |