体細胞クローン種雄牛における精液及び血液性状の推移

タイトル 体細胞クローン種雄牛における精液及び血液性状の推移
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2003~2005
研究担当者 渡辺伸也
高橋清也
赤木悟史
発行年度 2005
要約  体細胞クローン種雄牛について、精液と血液の性状を29ヶ月調査した結果、各検査項目で、通常牛との顕著な差異や異常値は見いだせない。
キーワード 家畜繁殖、ウシ、体細胞クローン種雄牛、精液性状、血液性状
背景・ねらい  平成10年7月以来、わが国では多数の体細胞クローン牛の出産に成功している。生産された体細胞クローン牛については、一連の飼養・繁殖試験を通じ、雌雄のクローン牛の成長や繁殖についての健全性が認められている。ただし、流死産や生後直死等が多いなど、クローン技術には未解明な問題が多く、客観的データの蓄積がさらに必要である。
 本研究では、体細胞クローン牛に関するデータの蓄積を通じた畜産物の安心・安全への貢献を目指し、体細胞クローン種雄牛の精液と血液の性状に関するフィールドデータを収集する。
成果の内容・特徴 1.
畜草研で繋養中の体細胞クローン種雄牛(クローン牛A(平成10年生)、B(平成12年生)の2頭、いずれも黒毛和種)と通常の種雄牛(対照牛A(平成2年生:黒毛和種)、B(平成13年生:ホルスタイン種)の2頭)より、精液(原則として週1回)および血液(原則として月1回)を定期的に採取し、精子の濃度・形態・活力、精液の量・pH等の精液性状と血液性状を2003年8月から2005年12月までの間、調査した成績である。
2.
精子濃度(図1)等の精液性状については、個体変動や季節的変動の範囲内で推移している。
3.
ヘマトクリット値(図2)や各血球数に関しては、個体変動の範囲内で値が変化している。
4.
肝機能異常などとの関連性がある血清アルブミン濃度(図3)やGOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)活性に関しても、個体変動の範囲内で変動している。
5.
甲状腺ホルモンなどの支配を受けていることが知られているCa濃度(図4)においては、個体の特性と思われる範囲内で推移している。
6.
その他の生化学検査の項目であるグルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ、γーグルタミルトランスペプチダーゼ、尿素窒素、総ビリルビン、総タンパク、グルコース、尿酸、中性脂肪、アルカリホスファターゼ、クレアチニン、総コレステロール、アルブミン、クレアチンホスフォキナーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ、無機リン、マグネシウム、アミラーゼ、乳酸脱水素酵素、ヘモグロビン、ナトリウム、カリウム、塩素も含め、今回の調査項目のいずれでも通常牛との顕著な差異や異常値は見いだされない。
成果の活用面・留意点 1.
体細胞クローン成雄牛の長期にわたる生理的動態を把握する際の参考資料になる。
図表1 227093-1.jpg
図表2 227093-2.jpg
図表3 227093-3.jpg
図表4 227093-4.jpg
カテゴリ くり 繁殖性改善

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