豚Mx1遺伝子部分欠損多型とin vitroでのインフルエンザウイルス抑制能

タイトル 豚Mx1遺伝子部分欠損多型とin vitroでのインフルエンザウイルス抑制能
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2002~2004
研究担当者 中島恵美子
Graham Plastow(PIC)
三橋忠由
塚本健司(動衛研)
両角岳哉(STAFF)
発行年度 2006
要約 一般にMx1プロテインは(-)鎖RNAウイルス増殖を抑制する。Mx1プロテインをコードする豚Mx1遺伝子にはいくつかのバリエーションがあり、一部の豚はMx1遺伝子の最終エクソンに11塩基の欠損を持ち、in vitroでは11塩基欠損型のMx1遺伝子は正常型に比べインフルエンザウイルス増殖を抑制する能力を大きく欠いている。
キーワード 豚、インフルエンザウイルス、ウイルス抑制、家畜育種・繁殖
背景・ねらい 家畜の中には、種が保持している多様性として、遺伝的抗病性を保持している場合がある。近年、マウスを用いた研究からインフルエンザウイルスを含むミクソウイルス((-)鎖RNAウイルス)の増殖を抑制する遺伝子が発見されMx遺伝子と名づけられた。
豚品種の一部にはMx1遺伝子の第14エクソンに11塩基の欠損を持つ個体がいることから、豚のMx1遺伝子はインフルエンザウイルスの増殖抑制効果をもつか、また欠損型がインフルエンザウイルス増殖抑制効果を野生型と同様に持つかどうかをin vitroで調べ、抗病性遺伝子育種に資する有用な情報となるかを知ることとした。
成果の内容・特徴
  1. 梅山豚には、Mx1遺伝子の第13エクソンに3塩基の欠損を持つ個体が存在する。
  2. ブタMx1遺伝子の野生型、11塩基欠損型(図1)、またこれも自然に存在する3塩基欠損型を、さらに対照としてベクターのみをインフルエンザウイルス増殖抑制能を持たないマウス3T3細胞に導入し、インフルエンザウイルスA/Aichi(H3N2)の感染試験を行った。
  3. 11塩基欠損型ではベクターのみ導入とほぼ同じにウイルスが増殖し、インフルエンザ増殖抑制能を失っていることが分かった(図2)。
  4. 3塩基欠損型では野生型と同じようにウイルス増殖が殆ど無く、ウイルス増殖抑制能は失われていないことが分かった(図2)。
成果の活用面・留意点 in vitroにおいて得られたインフルエンザウイルス増殖抑制効果について、in vivoでの検証が必要である。
図表1 227155-1.gif
図表2 227155-2.gif
カテゴリ 育種 繁殖性改善 品種

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