酪農地帯の窒素湿性沈着量は周辺山間部より多い

タイトル 酪農地帯の窒素湿性沈着量は周辺山間部より多い
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2006~2010
研究担当者 寳示戸雅之
宮地朋子 
発行年度 2007
要約 関東北部の集約酪農地帯中心部における年間の全窒素湿性沈着量は18.5kgha-1であり、対照山間部に比べて13kg ha-1多い。増加した窒素沈着量は家畜ふん尿起源と考えられる。
キーワード バルクサンプル、湿性沈着、アンモニア、酪農
背景・ねらい 家畜ふん尿に由来する窒素成分の一部はアンモニアとして大気に拡散し、湿性沈着および乾性沈着として再び地表に沈着する。沈着により農耕地には窒素成分が投入されるばかりでなく、自然生態系には窒素負荷が増えることによる富栄養化を通じた様々な影響を与える。沈着の実態を明らかにするために関東北部の酪農地帯において雨水により沈着する窒素量を調査した。
成果の内容・特徴
  1. 栃木県北部の集約酪農地帯とその周辺部(図1)で、2003年4月から2007年10月までの4年半の間、1ヶ月毎のバルクサンプルによる降雨量と窒素濃度を分析した。バルクサンプルは直径約14cmの漏斗で遮光ポリタンクに2反復で捕集した1ヶ月間の貯留雨水である。
  2. 雨水の全窒素濃度は春に高く秋に低い傾向を示し(図2)、アンモニア態窒素、硝酸態窒素もほぼ同様である。
  3. 雨水の窒素濃度の地点間差は大気中アンモニア濃度と対応する(図3)。
  4. 4年間の平均全窒素濃度は酪農地帯中心部で1.3~1.7mgL-1であるのに対し対照山間部では0.5~0.7mgL-1であるv(図2)。平均採取雨量は年間1710mmで、この雨水による年間の全窒素湿性沈着量は酪農地帯中心部で18.5kgha-1に対し対照山間部では5.5kgha-1である(図4)。
  5. 酪農地帯中心部と対照山間部の沈着量の差約13kg ha-1が家畜ふん尿窒素起源と考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. 家畜ふん尿窒素が大気中のアンモニアを介して地域内循環することを示す基礎知見である。
  2. 今回測定したものはバルクサンプルによる湿性沈着であるが、このほかに乾性沈着が相当量見込まれる。
図表1 227193-1.gif
カテゴリ 乳牛

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