高強度絹糸の作出

タイトル 高強度絹糸の作出
担当機関 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究期間 1991~2000
研究担当者 坪内紘三
赤羽恒子
今井恒夫
発行年度 1993
要約 高強度絹糸開発のため、まず細繊度繭糸蚕に生理活性物質(Anti-JH)を投与して3眠蚕とし、極細繭糸繊度(1d)の繭を作出した。次に、この繭糸を用いた生糸でブレード糸を作り、精錬延伸を行った。その結果、空気中の強度約5.5g/d、水中結節強度が3g/dと非常に高い値の高強度絹糸が得られた。
キーワード 高強度絹糸、極細繭糸、水中結節強度
背景・ねらい 一般に空気中の繭糸の強度は3.5g/d、生糸は4g/dで、水中の生糸の結節強度は2g/d程度であり、化学繊維と比べて強度は半分以下である。水中結節強度を大きくできれば水中や生体内での新しい利用が生まれる。一般に繊維は細いほど高強度である。そこで、極細繭糸を利用した絹糸の高強度化を進め、絹の釣糸や外科手術糸用の素材開発を目標とした。
成果の内容・特徴
  1. 自動繰糸機(CT-Ⅱ型)で繰糸可能な極細繭糸繊度繭が得られた。その繭糸繊度は1.0d(デニール)でフィブロインフィラメントは0.4dである。
  2. 極細繭糸による生糸は通常の普及蚕繭による生糸に比べて太さむらが少なく、強度は30%程度増加した。
  3. 極細繭糸を用いた生糸でブレード糸(組み糸)を作り、精練(脱セリシン)と延伸を行なったところ、空気中の強度が5.5g/d、水中結節強度約3g/dと非常に高い価のものが得られた。
  4. 空気中の強度5.5g/dは化学繊維の釣糸にほぼ匹敵する値である。
成果の活用面・留意点
  1. 極細繭糸のもとになる細繊度蚕として1.5d程度の繭糸繊度の繭を選び、Anti-JHを投与すれば1d繭糸の繭が得られるが、その中で繭幅が16mm以上となる細繊度蚕を選ぶ必要がある。
  2. ブレード糸の延伸は70℃の水中で15%程度とする。
図表1 227239-1.gif
図表2 227239-2.gif
図表3 227239-3.png
図表4 227239-4.png
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