桑炭そ病菌の胞子形成誘導因子

タイトル 桑炭そ病菌の胞子形成誘導因子
担当機関 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究期間 1993~1997
研究担当者
発行年度 1993
要約 桑炭そ病菌は分生胞子を罹病桑葉上に形成するが、PDA培地上では形成しない。そこで、桑葉に含まれる胞子形成誘導因子を調べたところ、ビオチンに誘導作用のあることが判明した。胞子形成は0.01ppm以下でもみられ、1日以内で判定できることから、本菌はビオチン検出用としても有用であると判断された。
背景・ねらい 桑炭そ病菌(Colletotrichum dematium=C. morifolium Hara
)は罹病桑葉上に多数の分生胞子を形成し、二次感染源となる。し
かし、ジャガイモ・ブドウ糖寒天(PDA)平板培地上では、菌糸は
よく生育するが、胞子は形成しない。培地上で胞子が得られないこ
とは、研究を行う上で極めて不便である。そこで、桑葉の胞子形成
誘導因子を検索するとともに、誘導因子を利用して培地上で胞子を
形成させることを目的として研究を行う。
成果の内容・特徴
  1. 乾燥桑葉をメタノール、酢酸エチル、アセトン、50%アセトン等の
    抽出物のうち、50%アセトン抽出液だけに胞子形成誘導作用が認め
    られた。
  2. 胞子形成能は若い菌糸ほど強く、胞子形成は抽出液処理16時間後
    には認められた。効果は25℃保持区で良好で、暗区より明区で明
    瞭であった。
  3. そこで、桑に含まれているアミノ酸(18種)およびビタミン類(
    9種)を供試し、胞子形成作用を調べたところ、ビオチンだけに誘
    導効果が認められた。
  4. 誘導はビオチン濃度0.01ppmで認められ、1ppmで顕著であった。
  5. 以上の結果、乾燥葉当たり約0.6mg/kg含まれるビオチンは、桑葉
    の胞子形成因子の一つであることが判明した。
成果の活用面・留意点
  1. 桑炭そ病菌の分類・同定が容易になる。
  2. 分生胞子を利用した病理学的研究が行える。
  3. ビオチンの検出あるいは定量に、本菌を利用できる。
図表1 227242-1.gif
図表2 227242-2.gif
カテゴリ 乾燥 ばれいしょ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる
S