紫外線照射による桑炭そ病潜在感染の早期診断

タイトル 紫外線照射による桑炭そ病潜在感染の早期診断
担当機関 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究期間 1993~1997
研究担当者
発行年度 1993
要約 桑葉に紫外線照射すると、桑炭そ病菌の潜在感染部が病斑として出現することが判明した。ここで得られた手法は、潜在感染の証明や病原菌の分離に有効なだけでなく、本病の発生予察にも有用であり、他作物にも応用できる。
背景・ねらい Colletotrichum dematium(=C. morifolium)による桑炭そ病
は、夏から秋にかけて全国の桑園でみられ、発病条件が揃うと激発
する病気であるが、感染経路、侵入・発病過度は不明であった。
一方、バナナ炭そ病では、菌が果実の表皮に潜在的に感染しており
、塾化とともに病斑化することが知られていた。桑葉でも潜在感染
の可能性が考えられたが、感染葉を調べても外観上は全く健全で菌
の分離も困難であった。そこで、桑葉にストレスを付与して熟化と
似た現象を起こし、病斑の顕在化を試みる。
成果の内容・特徴
  1. 潜在感染した桑葉の裏面に紫外線(波長230~310m)を3~5分
    間照射し、25℃の湿室に保つと、照射葉は2~4日で褐変し、潜在
    的感染部は病斑として出現した。
  2. この病斑を数えることによって、検査葉の潜在的感染程度が判定で
    きた。
  3. 出現した病斑部には、数日で胞子堆ができ、そこに分生胞子と剛毛
    を生じた。
  4. 胞子堆を含む葉片をPSA培地(2%スクロース添加ジャガイモ煎汁
    寒天)上に置くと炭そ病菌が優位に増殖するため、本菌の分離は容
    易であった。
  5. 本法によって分離した菌と胞子は、常法による分離菌と同様の病原
    性を示した。
  6. 以上の結果、本法は、菌の分離および早期診断に有効であることが
    判明した。
成果の活用面・留意点
  1. 桑炭そ病菌の潜在感染の有無の検定。潜在感染の証明。
  2. 桑炭そ病菌の分離法の改善。
  3. 桑炭そ病菌の発生予察。
  4. 他作物での応用・普及。
図表1 227257-1.gif
図表2 227257-2.gif
カテゴリ ばれいしょ

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