タイトル |
シンジュサン培養細胞系の樹立 |
担当機関 |
蚕糸・昆虫農業技術研究所 |
研究期間 |
1994~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
野蚕の一種であるシンジュサンの幼虫脂肪体由来の培養細胞系を樹立し、 NISES-SaCy-12と命名した。この培養細胞系は抗生物質のハイグロマイシンとネオマイシンに対し、カイコ培養細胞系とヨトウ培養細胞系の中間的な感受性を示した。また、サクサン核多角体病ウイルスに良く感染する。
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背景・ねらい |
絹をつくる野蚕の一種であるシンジュサンについては培養細胞系がなく、外来遺伝子の導入発現の研究や昆虫ウイルスの感染増殖機構の解明に利用できる培養細胞系の作出を行う。
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成果の内容・特徴 |
- シンジュサンの幼虫の脂肪体から遊離した細胞を培養し、連続的に継代増殖が可能な培養細胞系を確立した。本細胞系は牛胎児の血清を10%添加したMGM-448培地で培養されている。細胞の形態は浮遊性、丸型であり、その細胞数が倍加する時間は2、3日間である。
- 本細胞系の抗生物質に対する感受性を細胞の死亡率でみると、ハイグロマイシンを培地に800
μg/ml添加した場合、3日間で55%、200μg/ml添加では31%、25μg/ml添加では22%の細胞が死んだ。また、ネオマイシンに対しては培地に2mg/ml添加した場合では38%、400μg/ml添加では5%の細胞が死んだ。
- この抗生物質ハイグロマイシンとネオマイシンに対する感受性はヨトウガ由来の培養細胞系(SES-MaBr-4)とカイコ由来の培養細胞系(SES-BoMo-15A)の中間に位置している。
- また、本細胞系は野蚕の一種サクサンの核多角体病ウイルスに高い感受性を示す。
(図1)(図2)(図3)
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成果の活用面・留意点 |
外来遺伝子の導入発現の研究や昆虫ウイルスの感染実験への利用が可能である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
カイコ
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