タイトル |
少雪寒冷地向き桑品種「わせゆたか」の育成 |
担当機関 |
蚕糸・昆虫農業技術研究所 |
研究期間 |
1994~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
少雪寒冷地向きで良質・多収の桑品種「わせゆたか」(桑農林17号)を育成した。本品種は、春の発芽が早く、技条伸長良好で、晩秋蚕期の葉の硬化も比較的遅く、普通植えまたは密植に適する。
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背景・ねらい |
少雪寒冷地に栽培されている桑品種の多くは、耐寒性の面で十分と言えず、しばしば寒枯れの被害を受けることがある。また、既存の桑品種では晩秋蚕期の葉の硬化が速く、飼料価値が低下する傾向がある。このため、少雪寒冷地に適した桑品種の育成が引く求められている。
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成果の内容・特徴 |
- 本品種は、カラヤマグワ系に属する2倍性品種であり、比較的寒枯れが少なく、良質・多収で、普通植えまたは密植に適する(図1)。
- 春の発芽は「あおばねずみ」に比較して1週間程度早く、枝条伸長が良好で、枝条数も多い。
- 条桑における新梢割合や葉量割合が高く、収量は比較的多い
(表1)。
- 桑裏うどんこ病に対する抵抗性は比較的強い。
- 蚕の飼育成績は、春蚕期および晩秋蚕期ともに「あおばねずみ」より勝るが、「しんいちのせ」とは同程度である。
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成果の活用面・留意点 |
本品種の栽培適地は東山地域または東北地方の太平洋側寒冷地である。本品種は多収性で、条桑に占める新梢や葉の割合が多く、飼料価値も比較的高いが、萎縮病にはやや弱いので激発地への栽植は避けた方がよい。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
萎縮病
うどんこ病
桑
耐寒性
多収性
抵抗性
品種
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