カイコの分子マーカーによる高密度連鎖地図の作成

タイトル カイコの分子マーカーによる高密度連鎖地図の作成
担当機関 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究期間 1994~1995
研究担当者 安河内祐二
河本夏雄
発行年度 1995
要約 カイコのゲノム解析を推進する上で基盤となる高密度連鎖地図を作成するために、PAPD等のPCR多型を用いて約500の分子マーカーによる連鎖解析を行いカイコの全27常染色体とX染色体に相当する28個の互いに独立な連鎖群が得られた。
背景・ねらい 近年のゲノム生物学の進展は著しく、昆虫においてもキイロショウジョウバエをモデル生物として研究が進められている。しかし、昆虫は陸上動物として最も多様性に富む集団であり、ショウジョウバエで得られた知見がそのまま他の昆虫に適用できるとは限らず、比較対照できるモデル昆虫種が求められている。特にカイコは従来からの研究の蓄積もあり、有力な候補と成り得るものと考えられる。しかし現状では、カイコやミツバチにおいて分子マーカーによる連鎖地図の構築が試みられているが完全なものではない。そこで、カイコにおけるゲノム解析に着手するにあたり基盤ともいうべき高密度連鎖地図を作成する。
成果の内容・特徴
  1. 100種類の10-merのプライマーを組み合わせて、支108号と大造問のRAPD多型を検出した。また、染色体末端特異的プローブを作出するために、カイコにおけるテロメア反復配列の(TTAGG)nの5'-側に隣接する領域をクローニングして塩基配列を決定した。この配列をSTS化してPCR多型を検索した。さらに、データベースに登録されている既知遣伝子についても、同様にSTS化してマーカーとしての有効性を検討した。
  2. 得られた5種類のテロメアクローンと4種類の既知遣伝子を含む500以上の多型マーカーを用いて支108号と大造間のF2世代118個体の連鎖解析をおこない、連鎖地図を作成した。その結果、カイコの全27常染色体とX染色体に相当する28個の互いに独立な連鎖群が構築できた。また、テロメアクローンは、いずれも連鎖群の末端近傍に位置した。
具体的データ
成果の活用面・留意点 今後さらに地図自体の高密度化・高精度化を図ると共に、種々の遺伝子や形質を盛り込んだ統合的なゲノム地図へ発展させていくことにより、昆虫の高次生命現象を解明する上での基盤として機能することが期待される。
図表1 227282-1.jpg
カテゴリ カイコ データベース ミツバチ

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