タイトル |
保存蚕品種の核多角体病ウイルス及び濃核病ウイルスに対する低抗性 |
担当機関 |
蚕糸・昆虫農業技術研究所 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
古田要二
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発行年度 |
1995 |
要約 |
保存蚕品種の核多核体病ウイルスに対する抵抗体を調査したところ、対照蚕品種に比較して低抗性が侍に高かったもの18品種、低かったもの17品種であった。濃核病ウイルスに対する感受性は4グループに分類され、Ⅰ型及びⅡ型に感染するもの、Ⅰ型にのみ感染するもの、Ⅱ型にのみ感染するもの、両者に感染しないものであった。
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背景・ねらい |
養蚕におけるウイルス病の防除法は消毒等による病原隔離以外になく、ウイルス病に対する低抗性蚕品種の育成が強く望まれている。そこで、実用低抗性蚕品種育成の素材に関する情報を提供する目的で、遺伝資源として蚕糸・昆虫農業技術研究所で保存されている蚕品種456品種について核多角体病ウイルス(NPV)に対する抵抗性と、濃核病ウイルス(DNV)に対する感受性を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 456品種の保存品種についてNPV及びDNVに対する抵抗性を孵化幼虫にウイルスを経接種する方法で検討した。
- NPVに対する感受性を一次試験で調べたところ、抵抗性が対照蚕品種(日136号×支147号)と同等もしくは優るものが94品種であるのに対し、抵抗性が劣るものは362種類であった(表 1)。
- 一次試験で特に低抗性を示した21品種と、特に感受性を示した17品種について二次試験を行い感染カ価を測定したところ、低抗性グループのうち18品種が対照蚕品種よりも抵抗性を示し、感受性グループに属するものは全て感受性であった(表 1)。
- DNVに対する感受性は、Ⅰ型及びⅡ型に感染するもの109品種、Ⅰ型に感染しⅡ型に感染しないもの41品種、Ⅱ型に感染しⅠ型に感染しないもの193品種、両者に感染しないもの113品種、の4グループに分類された(表 2)。
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成果の活用面・留意点 |
得られた成果はNPVやDNVに対する低抗性蚕品種育成の素材として活用する。また、NPVに対する抵抗性の差は稚蚕期に比較して4~5齢期に顕著に現れる場合があるのでこれらの点についての検討が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
遺伝資源
カイコ
抵抗性
品種
防除
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