広食性蚕品種「はぱたき」の通年化

タイトル 広食性蚕品種「はぱたき」の通年化
担当機関 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究期間 1995~1996
研究担当者 榎島守利
岡田英二
間瀬啓介
山本俊雄
発行年度 1995
要約 繭糸質が優良な,広食性蚕品種「日603号・日604号×中604号・中605号」(愛称:はばたき)は春蚕用に加えて夏秋蚕用としても追加指定を受け、通年化したことにより、効率的な利用が可能になった。
背景・ねらい 「はばたき」は平成5年3月に春蚕用の広食蚕品種として指定された品種であるが、繭糸質が優れているので用途拡大が期待され、年間を通して利用できるようにすることが要望されていた。そこで、強健性を付与して夏秋蚕期にも適応するよう改良を行う。
成果の内容・特徴
  1. 平成6年度の農林水産省委託蚕品種性状調査の結果、「日603号・日604号×中604号・中605号」(愛称:はぱたき)は平成7年4月に夏秋蚕用としても追加指定を受け、広食性蚕品種としては初めての通年品種となった。
  2. 中604号と中605号は限性斑紋品種であるが、交雑種の幼虫斑紋は総て形蚕になる。原種と交雑原種の性状に欠点がなく、飼育と採種を行う上で待に問題はない(表 1)。
  3. 「はばたき」は低コスト人工飼料によく適合し、発育が良好で眠期もよく揃い飼育上の問題点はない。既存の広食性蚕品種に比べて糸質が優れており、繭糸長は100m以上長く、繭糸繊度(約3デニール)は0.2~0.3デニールほど細い。また、収繭量はやや多く、繭重、繭糸量、生糸量歩合、解舒率及び小節はほぼ等しい(表 2)。
4齢まで人工飼料育した場合は配蚕等にあたって蚕体が損傷しやすくなるので、取扱いに注意を要する。5齢期は食桑が活発であるので、給桑量に注意し、また壮蚕期と上族中は通風、換気をよくし、解舒率を良好にするよう努めることが望ましい。
[その他]
研究課題名:繭糸質に特徴のある用途別蚕品種の選抜
予算区分 :経常
研究期間 :平成7年度(平成4~8年度)
研究担当者:山本俊雄・間瀬啓介・榎島守利・岡田英二
成果の活用面・留意点 4齢まで人工飼料育した場合は配蚕等にあたって蚕体が損傷しやすくなるので、取扱いに注意を要する。5齢期は食桑が活発であるので、給桑量に注意し、また壮蚕期と上族中は通風、換気をよくし、解舒率を良好にするよう努めることが望ましい。
図表1 227302-1.jpg
図表2 227302-2.jpg
カテゴリ 低コスト 品種

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