濃核病ウイルス抵抗性蚕品種「大成」

タイトル 濃核病ウイルス抵抗性蚕品種「大成」
担当機関 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究期間 1991~1995
研究担当者
発行年度 1996
要約 優性の抵抗性遺伝子Nid-1を導入して育成した春蚕用普通蚕品種の「大成」は、カイコ濃核病ウイルス1型に対し完全な抵抗性を示す。本品種は白繭系二化性日中一代交雑種であり、良質繭の高い生産性と優良な繭糸質が特徴である。蚕糸・昆虫農業技術研究所・遺伝育種部・育種素材化研究室
背景・ねらい ウイルス病に対する抵抗性の蚕品種の開発が強く求められている。そこで、カイコ濃核病ウイルス1型に対する優性の抵抗性遺伝子Nid-1を導入した実用蚕品種の育成を行う。
成果の内容・特徴
  1. 蚕遺伝資源NO.908の有するNid-1遺伝子を既存の実用品種「日150号」に導入して本遺伝子を安定的にホモの状態で保有している「日203号」を作出した。
  2. 「日203号」と既存の実用品種「中150号」とを交雑することによって作出した「大成」は、飼育日数は若干長目であるが高い生産力と優れた繭糸質を有し、眠起や発育は良く揃い飼育取扱いは容易である。
  3. 「大成」は春蚕用普通蚕品種として農林水産大臣の指定を受けた(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 「大成」は稚蚕、壮蚕とも食桑が活発であるので、桑不足にならぬよう給桑量に注意する必要がある。特に、多収・長糸長の特徴を発揮させるためには、上蔟間際まで良桑を飽食させることが望ましい。
  2. 不良環境での上蔟は解じょを悪くするので、上蔟室の通風・換気と除湿に努める必要がある。
図表1 227308-1.gif
カテゴリ 育種 遺伝資源 カイコ 抵抗性 抵抗性遺伝子 品種

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