休眠を利用したエビガラスズメ蛹の保存技術

タイトル 休眠を利用したエビガラスズメ蛹の保存技術
担当機関 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究期間 1994~1998
研究担当者
発行年度 1996
要約 実験昆虫エビガラスズメの蛹休眠現象に着目し、蛹の保護温度と休眠覚醒および生存率との関係を明らかにし、休眠蛹を1年間冷蔵保存して次世代を得る保存技術を確立した。
背景・ねらい 実験昆虫エビガラスズメ(学名:Agrius convolvuli)は、人工飼料による累代飼育法が確立され、昆虫の代謝、内分泌、神経生理等の研究材料として多くの研究機関で利用されている。そこで、本実験昆虫の年間を通しての安定供給と省力化のために、休眠性を利用した蛹の長期保存技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. エビガラスズメの休眠蛹は10~15℃の低温に60日以上おくことによって休眠から覚醒し、その後25℃に移すと30日以内に一斉に羽化することがわかった(図1)。
  2. 休眠蛹の長期保存には、蛹化後20日間27℃においた後15℃に30日間おき、その後10℃で保存する方法が最も効果的であることがわかった(図2)。この方法で休眠蛹を約1年間保存でき、高い生存率が得られる。
  3. 長期間保存した休眠蛹は、温度25℃に移し、湿度を70%以上に保つと90%以上が正常に羽化し、交尾・産卵が可能であった(表1)。
成果の活用面・留意点 本法はエビガラスズメの系統維持法の開発に利用できる。
図表1 227311-1.gif
図表2 227311-2.gif
図表3 227311-3.gif
カテゴリ 省力化 長期保存・貯蔵

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