タイトル |
繭糸の精錬方法 |
担当機関 |
蚕糸・昆虫農業技術研究所 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
限性品種「黄白」の雌繭(黄繭)の色をできるだけ濃く精練糸に残す精錬方法を確立した。この精練法は練減率を20~22%程度に制御する酵素精練であり、有効なアルカリ性酵素として2種類のエンドペプチダーゼ系細菌タンパク分解酵素剤を選抜した。
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背景・ねらい |
限性品種「黄白」の雌繭より繰製された生糸は光沢のある鮮やかな黄色を呈しているが、精練するとセリシンの除去とともに、その着色は大部分が落ちてしまうなど実際の利用はあまり進んでいない。黄繭絹糸が精練後の黄味を帯びた光沢のある練糸として使用できるようになれぱ、例えば紋織ちりめんの絵緯(紋様緯)の仕上り効果に期待ができるなど、後練・後染織物への使用が広く考えられている。そこで黄繭糸の色をできるだけ濃く残せる精練方法について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 酵素精練で練減率を20~22%程度に制御した場合、着色指数b*値が20を超える2種類(B品、C品)のエンドペプチダーゼに属する細菌タンパク分解酵素剤を見出した(表1)。なお、黄繭絹糸の電顕写真を観察すると、糸表面は平滑であり、均一に精練がされている状況が認められる(図1)。
- 酵素精練の具体的な処方は、熱湯処理してセリシンの膨潤を図ったのち、1,000ml当たり10gのタンパク分解酵素と2gの炭酸水素ナトリウムを含む溶液中で、50℃で20~40分間浸漬する。精練溶液中に界面活性剤を添加する場合は非イオン活性剤よりも、モノゲンなどの陰イオン活性剤を使った方が精練後の黄味を残すのに効果的である。
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成果の活用面・留意点 |
黄繭糸の色を残した精練糸の耐光性に関する検討が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
品種
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