タイトル |
桑雄花穂培養による再生個体からの優良系統の選出 |
担当機関 |
蚕糸・昆虫農業技術研究所 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
「しんいちのせ」ほか6桑品種・系統の雄花穂を細断・培養し、形成されたシュートを鉢上げ後増殖して、交雑育種における系統選抜試験に準じて特性調査を行った。その結果、生育旺盛で多収性が期待できるなど、優良特性を有する6系統を選出した。
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背景・ねらい |
機械収穫及び多回育に適合する画期的な桑品種育成が求められている。そこで、雄花穂培養を行い、有用な変異体を作出し、新たな育種素材とする。
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成果の内容・特徴 |
「しんいちのせ」ほか6品種・系統の雄花穂を細断・培養し、形成されたシュートを発根・順化させ、さらに増殖して圃場に植付けた。その結果、「しんいちのせ」及び「みなみさかり」由来の個体から優れた形質を有する6系統が選出された。これらの特性の概要は以下のとおりである。
- SH-P-3(しんいちのせ由来):生育旺盛で多収である。「しんいちのせ」より枝条数は増し、条径は太くなった。葉は晩秋期の硬化が早まり、欠刻が深く、多裂葉化するなど、選出された系統の中では形態的な変異が最も大きいことが観察された(表1~3)。
- SH-P-14(しんいちのせ由来):「しんいちのせ」より収量はやや多い。葉の欠刻がやや深くなった程度で、形態的な変異は少なかった。花性が偏雌性に移行する傾向がみられた(表1~3)。
- SH-P-24(しんいちのせ由来):「しんいちのせ」より収量はやや少ない。これは5株中2株が奇形を呈し、生育が劣ったことが影響したとみられる。他の3株は生育旺盛で、枝条伸長が優れていた。葉の欠刻はやや深く、花性が偏雌性に移行する傾向がみられた(表2、3)。
- SH-P-36(しんいちのせ由来):生育旺盛で多収である。「しんいちのせ」と比べ、枝条伸長は良好で、直立する。葉は欠刻がやや深く、花性が偏雌性に移行する傾向がみられた(表2、3)。
- SH-P-40(しんいちのせ由来):「しんいちのせ」と比べ、春蚕期の収量はやや多いが、晩秋蚕期には大差ない。枝条が直立することに特徴がみられるが、それ以外は葉の欠刻も含めて、形態的な変異はほとんど認められなかった(表1~3)。
- MI-P-4(みなみさかり由来):生育旺盛で「みなみさかり」より多収である。葉の欠刻がやや深くなり、多裂化する傾向がみられた(表2、3)。
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成果の活用面・留意点 |
選抜された系統は、所内の圃場において一般の系統選抜試験に組入れるとともに、特性検定試験(耐萎縮病性検定)にも供試し、育種素材としての適性について調査を継続する予定である。
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図表1 |
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カテゴリ |
育種
萎縮病
桑
多収性
品種
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