絹フィブロインフィルムを素材とした細胞培養床

タイトル 絹フィブロインフィルムを素材とした細胞培養床
担当機関 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究期間 1997~2000
研究担当者
発行年度 1997
要約 α型結晶形態を示す絹フィブロインフィルムの細胞培養床はヒト表皮細胞の培養において、細胞の伸展性、細胞相互の接着性、細胞層の成長等において優れている。
背景・ねらい 絹は手術用の糸として使われ、さらに医療用素材としての利用が期待されている。特に、絹による創傷被覆材の開発を進めるにあたって、ヒトの表皮細胞と絹との相互作用の研究が必要である。細胞培養床としてはポリスチレン、コラーゲン等が利用されているが、生体には各種の細胞があり、それぞれの細胞に適した培養床が望まれている。そこでまず、絹フィブロインフィルムを細胞培養床として、ヒト表皮細胞との相互作用をin vitroで明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 絹糸を溶解、透析した後に、フィブロインのα型、β型およびアモルファスの分子形態を示すフィルムを作成し、この3種のフィルムをそれぞれの細胞培養容器の床に無菌状態でコーティングした。
  2. これらの細胞培養容器でヒト表皮角化細胞(ケラチノサイト)を培養し、細胞の形態変化を観察したところ、一般に使用されているポリスチレン培養床と比較して、絹フィブロイン培養床では、培養床表面への細胞の付着、増殖が均一であるとともに、細胞相互の接着性、細胞層成長の伸展性等において極めて優れている(図1)。
  3. 3種の分子形態の中でα型(分子はヘリックス構造)絹フィブロインフィルムは表皮細胞培養床として最も優れている。
成果の活用面・留意点
  1. 皮膚細胞培養床素材としての展開が期待される。
  2. 培養床として用いる絹フィブロインフィルムの分子形態は水に不溶性のα型の方がより優れている。
図表1 227344-1.gif
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