普通植向き桑系統「本87-99」

タイトル 普通植向き桑系統「本87-99」
担当機関 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究期間 1997~2001
研究担当者
発行年度 1997
要約 桑育成系統「本75-26」に「No.3001」を交雑し、普通植向き桑系統[「本87-99」を選出した。本系統は夏切ともに「しんいちのせ」より多収である。枝条の伸長は劣るが、枝条数は多く、やや展開する姿勢を示すことから、普通植桑園に適する。
背景・ねらい 養蚕経営規模の拡大にともない密植機械収穫桑園が普及しつつあり、桑の育種も機械収穫適性に主眼を置いてすすめられている。しかし、機械化が困難な山間傾斜地の桑園を利用している中~小規模の養蚕農家の割合も少なくない。したがって、従来から求められてきた多収性、高飼料価値、病虫害抵抗性などの一般的な優良特性を備えた普通植桑園に適する桑品種の育成も引き続き重要な課題である。そこで、昭和62年に「改良一ノ瀬」と「あつばみどり」の交雑に由来する育成系統「本75-26」に「清国野桑」と「司桑」の交雑に由来する系統「No.3001」を交雑し、得られた実生を昭和63年~平成3年に個体選抜、平成5~9年には系統選抜に供試した。
成果の内容・特徴
  1. 「本87-99」は2倍体どうしの交雑によって偶発的に生じた3倍体である。
  2. 春の発芽は「しんいちのせ」並で、新梢の生育もほぼ同等である。裾上りは多いが、葉色が濃く、下部の新梢も比較的大きな葉を着生するため、繁茂感がある(表1)。
  3. 夏切後の枝条伸長は「しんいちのせ」より劣るが、枝条数は多い(表2)。枝条の揃いは良好で、樹型はやや展開である。
  4. 夏蚕期中間伐採後の再発芽数は「しんいちのせ」よりやや多いが、再発枝の伸長は劣る(表2)。晩秋期の葉の硬化はやや早い。
  5. 収量は夏切、春切ともに「しんいちのせ」を上回り、特に春切で多い傾向にある(表3)。
成果の活用面・留意点 本系統は平成11年度から岩手および長野県において桑系統適応性検定試験に供試する予定である。ただし、長野では試験地の都合により、密植で試験を行う。
図表1 227348-1.gif
図表2 227348-2.gif
図表3 227348-3.gif
カテゴリ 病害虫 育種 カイコ 機械化 経営管理 傾斜地 多収性 抵抗性 品種

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