カイコのBACライブラリー

タイトル カイコのBACライブラリー
担当機関 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究期間 1998~2000
研究担当者
発行年度 1998
要約 カイコ5齢幼虫の後部絹糸腺からゲノム解析に不可欠な挿入断片長の長いBAC(バクテリア人工染色体)ライブラリーを作製した。ライブラリーの規模はカイコのゲノムサイズの約9倍に相当し、PCRスクリーニングにより目的とするクローンを単離することができる。
背景・ねらい ゲノム解析を推進する上で、全ゲノムを網羅する整列化ライブラリーを構築することが不可欠である。このようなライブラリーを比較的少ないクローン数で構成するためには、挿入断片長の長いベクターを用いる必要がある。バクテリア人工染色体(BAC)は100kbを超える断片を挿入できる上に、取り扱いが容易でキメラクローンも形成されにくい。そこで、カイコのBACライブラリー及びPCRスクリーニングによりライブラリーから目的とするクローンを単離する系を構築する。
成果の内容・特徴
  1. 支108とp50(大造)の5齢幼虫から後部絹糸腺を採取し、アガロースに包埋して除蛋白を行った。得られたアガロースプラグを制限酵素Hind Ⅲで限定分解してPFGE(パルスフィールド電気泳動)でサイズ分画した後、BACベクターpBAC-Lacに挿入し大腸菌にエレクトロポレーションした。得られた形質転換体(支108:13,824個; p50:23,040個)を96穴マイクロプレートで凍結保存した。
  2. 平均挿入断片長は120.8kb(支108)及び134.5kb(p50)であり(図1)、ライブラリーの規模は全体でカイコのゲノムの約9倍に相当した。
  3. 目的とする配列を有するBACを単離できる系を構築するために、3次元PCRスクリーニング用のDNAプールを調製した。p50のDNAプールを用いて29遺伝子座の35個のSTS(Sequence tagged site)によるBACの単離を行ったところ、全てのSTSにより3-11個(平均6.1個)のクローンが単離された(図2)。
成果の活用面・留意点 既知遺伝子や高密度遺伝地図上のマーカーを用いたクローンの単離と整列化を行うことにより、最終的には全ゲノムを網羅するような整列化ライブラリーヘ発展させて昆虫の高次生命現象を解明する上での研究基盤となる。
図表1 227357-1.gif
図表2 227357-2.gif
カテゴリ カイコ

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