人工飼料育カイコ用全自動給餌システム

タイトル 人工飼料育カイコ用全自動給餌システム
担当機関 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究期間 1998~2000
研究担当者
発行年度 1998
要約 カイコを利用した有用物質の生産を目的とした飼育に利用できる、人工飼料粉体と熱湯との混合調製からペースト状飼料の移送、飼育箱への給餌までの一連の作業を無人で自動的に実行する全自動給餌システムを構築した。
背景・ねらい カイコを利用した有用物質の生産を目的とした飼育施設の開発において、遺伝子組換えを行なったウイルス接種蚕を対象とする場合には、清浄空気環境下で通年飼育を可能とする施設・設備の構築が重要な課題である。清浄飼育環境を維持するためには、病原菌等を媒介する飼育従事者の介在を最少とし、無人での飼育管理を行なうことが必要である。このことから、カイコ飼育作業の自動化・無人化の一環として、人工飼料の全自動給餌システムの開発が求められている。
成果の内容・特徴
  1. 人工飼料粉体は攪拌器で熱湯と混合調製されペースト状飼料に加工され、この飼料は供給ポンプにより移送用パイプを経て充?弁まで移送され、3軸ロボットにより飼育箱の任意の位置に給餌が実施される(図1)。この一連の動作はパソコンにより自動制御される。
  2. カイコ飼育装置と給餌装置は連動して運転制御が行なわれる。すなわち、カイコ飼育装置から飼育箱が給餌装置の所定の位置に移動すると、飼育箱検出センサーにより箱の到着を感知し、供給ポンプの運転、3軸ロボットによる充?部の移動及び充?弁の開閉等の給餌動作が開始される。飼育箱上への給餌終了後、給餌装置制御盤からカイコ飼育装置コントローラへの給餌完了信号に基づいて、飼育箱は元の飼育位置へ移動する。
  3. 上記の操作を繰り返すことにより、人工飼料の調製から飼育箱への給餌までの一連の作業を完全に自動化したカイコの無人給餌システムが開発され(図2)、清浄飼育環境の維持が可能となった。
  4. 本システムでは、従来の飼育作業体系で行われていた湿体人工飼料の切削、計量、保存等の作業を不要とした。さらに、従来は湿体人工飼料の冷蔵保存が不可欠であったが、本システムでは湿体飼料の保存の必要が無く冷蔵貯蔵施設が不要になることから、飼育施設のコスト削減の効果をもたらす。
成果の活用面・留意点 本システムは年間連続運転を前提に設計したものであるが、保守点検や長期の飼育中断時には飼料づまり等を防止するため、飼料供給系の装置の洗浄が必要である。
図表1 227371-1.gif
図表2 227371-2.jpg
カテゴリ カイコ 加工 コスト 自動制御 ロボット

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる