タイトル |
密植機械収穫向き桑系統「本91-50」 |
担当機関 |
蚕糸・昆虫農業技術研究所 |
研究期間 |
1999~2001 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
桑育成系統「本74-01」と「みなみさかり」との交雑実生群から選出された桑系統「本91-50」は、夏切・春切いずれでも多収で、直立性で枝条が細く、揃いも良好であることから、密植栽培による機械収穫に適する。
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背景・ねらい |
養蚕経営の安定化を図るには、労力及び経費の削減、多回育などに対応する新たな桑栽培技術の構築が必要で、高度な密植機械収穫適性を備えた桑品種の育成が求められている。このため、従来から重要視されてきた多収性及び耐病性の付与、葉質の改善だけではなく、枝条が直立で揃いが良く、伐採後の再生長が旺盛であるなどの特性を持った桑品種の育成をねらって、平成3年に「No.3118」と「しんいちのせ」の交雑に由来する系統「本74-01」に「みなみさかり」を交雑し、得られた実生を平成4~7年に個体選抜、平成9~11年には系統選抜に供試した。
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成果の内容・特徴 |
- 「本91-50」の春の発芽は、対照桑品種の「しんいちのせ」より遅く、新梢長及び開葉数もやや劣るが、伸長芽数が多く、新梢の生育の揃いは良好である(表1)。
- 本系統の夏切後の枝条数は「しんいちのせ」よりやや多く、直立性で揃いは良好である。枝条長は「しんいちのせ」より短いが、条径は細い。夏蚕期中間伐採後の再発枝総条長は「しんいちのせ」を上回り、再発枝の揃いも良好である(表2)。
- 本系統は光沢のある中型でやや縦長の全縁葉を着生する。葉色は「しんいちのせ」よりやや濃い緑色で、晩秋期の硬化は遅い。
- 本系統の収量は「しんいちのせ」と比較して夏切で10%、春切で約30%多い(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
本系統は平成13年度から群馬及び鹿児島県において桑系統適応性密植検定試験に供試する予定である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
カイコ
桑
経営管理
栽培技術
多収性
品種
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