タイトル |
AFLPマーカーによるクワ属植物の類縁関係 |
担当機関 |
蚕糸・昆虫農業技術研究所 |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
クワ属植物の類縁関係を調べるため、AFLP(増幅断片長多型)マーカーによる解析を行った。得られた多型をもとに行ったクラスター分析により、供試した21種45品種・系統は4つのグループに分けられ、さらにグループⅠは2つのサブグループに分けられる。
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背景・ねらい |
一般にクワ属(Morus)植物を総称してクワと呼んでいるが、クワは従来24種(species)1亜種(sub-species)に分類されてきた。当研究所で桑遺伝資源として収集、保存されている1,300余の品種・系統はこの分類法に従い、21種に分類されている。しかし、クワは種間交雑が容易なことから従来の分類法を疑問視する声も強かった。そこで、我が国を含め17か国から収集されたクワ属21種に属する代表的な45品種・系統を用いて、AFLPマーカーによるクワ属植物の類縁関係を調べる。
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成果の内容・特徴 |
- AFLP解析により平均して110の多型(35~500bp)が得られ、全品種・系統に共通する多型の割合は69.7~82.3%であった。また、AFLPデータに基づく相同係数は0.58~0.99であった。これらのことから、クワは遺伝的多様性に富む集団から構成されていることが分かった。
- これらの多型をもとに、UPGMAクラスター分析を行ったところ、供試した21種45品種・系統は4つのグループ(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ)に分けられ、グループⅠはさらにカラヤマグワ(M.alba)を中心とするⅠ-Aとヤマグワ(M.bombysis)を中心とするⅠ-Bの2つのサブグループに分けられた(図)。
- グループⅡは22倍体のクロミグワ(M.nigra)から、グループⅢはテンジクグワ(M.serrata、6倍体)、ナガミグワ(M.laevigata、3倍体)およびケグワ(M.tiliaefolia、6倍体)から構成されることがそれぞれ明らかとなった。グループⅣに分けられたオガサワラグワ(M.boninensis、4倍体)は遺伝的に最も離れていることが分かった(図)。
- 個々の種(species)内の品種・系統の類縁関係をみると、同一種に分類されている品種・系統はAFLPデータからも類縁関係が近いことが分かった。このことは、従来の品種の分類そのものは正確に行われてきたことを示している(図)。
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成果の活用面・留意点 |
本研究では品種に特異的なバンドも得られているので、本実験で用いたAFLP解析手法は品種識別の手法としても有用であると期待される。
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図表1 |
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カテゴリ |
遺伝資源
桑
品種
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