タイトル |
根こぶ病・萎黄病複合抵抗性の‘かんらん中間母本農2号’ |
担当機関 |
野菜ル詞黶@野菜育種部 |
研究期間 |
1994~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
キャベツ‘安濃7号’は抵抗性素材と同程度の、根こぶ病と萎黄病に対する抵抗性を持ち、結球性等の一般形質が大幅に向上したので、‘かんらん中間母本農2号’として登録した。
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背景・ねらい |
キャベツの産地では根こぶ病が大きな問題となっており、さらに根こぶ病が激発する地域・作型ではしばしば萎黄病も発生するため、両病害に対する抵抗性品種の育成が強く望まれている。そこで、わが国のF1品種の育成に容易に利用できる実用形質を備えた根こぶ病・萎黄病複合抵抗性系統の育成を目的として育種を実施した。
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成果の内容・特徴 |
- キャベツの中で最も根こぶ病抵抗性の高い‘B hmerwaldkohl 72755’と‘B.72756’(ともにオランダより導入)、わが国品種の中では最も根こぶ病に強い‘愛知大晩生’及び安定した萎黄病抵抗性を持つ‘T53-240’を用いて交雑育種を行った結果、根こぶ病と萎黄病に抵抗性を持ち、一般形質がわが国の固定品種と同水準にある系統‘安濃7号’を得たので、‘かんらん中間母本農2号’として登録した(図1,表1)。
- 本系統の根こぶ病抵抗性は抵抗性素材と同等以上で、中~低温下では安定している。素材の根こぶ病抵抗性は不完全優性で複数の遺伝子に支配されると考えられたが、遺伝力は高く、比較的少数の主働遺伝子が存在すると推察される(表2,3)。萎黄病抵抗性は単因子優性(A型)で、抵抗性品種‘YR50’と同等の実用的に充分な抵抗性を示す。
- 本系統の熟期は抵抗性素材の親系統より早く、中生~中早生で夏まき年内どりが可能であり、草姿・外葉数・球形・球色等はわが国の一般の固定種とほぼ同等の水準にある。
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成果の活用面・留意点 |
- 根こぶ病抵抗性と萎黄病抵抗性の育種素材として、キャベツの育種に利用できる。
- 根こぶ病抵抗性は不完全優性であるため、F1品種では両親ともに抵抗性とする必要がある。
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根こぶ病には、高温・多湿・高菌密度の好適発病条件下や、菌の病原性が分化した地域では、侵される場合がある。
- 種苗登録後(現在申請中)、許諾契約及び遺伝資源の配布規定に従って、公立研究機関及び民間育種機関に種子を配布する。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
萎黄病
育種
遺伝資源
キャベツ
抵抗性
抵抗性品種
品種
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