タイトル |
15.GISポリゴンデータのトポロジー修正プログラム |
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研究期間 |
2002~2006 |
研究担当者 |
松森堅治
石田憲治
飯嶋孝史
嶺田拓也
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発行年度 |
2003 |
要約 |
GIS(地理情報システム)におけるポリゴンデータが表す多角形群のトポロジー(幾何学的特性)上の欠陥を修正するデータ処理プログラムを開発。このプログラムを利用することにより、自分自身と交差する多角形の分割、相互に交差する多角形の結合、多角形の頂点の回転方向の調整等を行うことができる。
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背景・ねらい |
農業農村整備計画策定等におけるGISの利用においては、行政区域、流域、土地利用区分など、地図上では「面」で表現される空間的要素を多角形に近似して数値化したポリゴンデータ(図1)が用いられる。ポリゴンデータをGISで正常に処理するには、データが表す多角形群がトポロジーに関する一定の規則に従っている必要がある。しかし、既成のデータの中には、GISの解析対象範囲外にその規則に従わない欠陥が存在することによって、データ全体が利用できないこともある。そのようなデータの有効利用を図るため、トポロジー上の欠陥を修正するデータ処理プログラムを開発した。
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成果の内容・特徴 |
- このプログラムは、トポロジーに関する規則に従わない欠陥があるために、GISソフトウェアに読み込んだ時に、領域の内外が正しく判別できなかったり、属性データとの対応が認識できない多角形が生じたりするポリゴンデータに対して、以下の2~4の処理を図2のフローに従って施すことにより、正常に処理できるデータに変換する。
- 自分自身と交差する、あるいは頂点で自分自身と接する多角形があった場合に、その多角形を交点・接点で分割して複数の多角形に変換する(図3)。
- ひとつの空間的要素が複数の多角形で構成されており、それらの多角形が相互に交差するような場合に、それらの多角形を結合するなどによって交差しない多角形に変換する(図4)。
- ひとつの空間的要素が複数の多角形で構成されており、それらの多角形が入れ子状になっているような場合に、各多角形の頂点をデータ内の格納順にたどったときの方向の右側がその空間的要素の領域内部となるよう、頂点の格納順を調整する(図5)。
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成果の活用面・留意点 |
- このプログラムは、トポロジー上の欠陥を機械的に修正するものであり、GISによる解析対象範囲のデータの正しさ、あるいは、修正部分が精度上許容できる範囲であるかどうかは利用者が確認する必要がある。
- このプログラムにおけるトポロジーに関する規則は、仕様が公開されているShapeファイル形式(ESRI社)のポリゴンデータにおける規則を採用した。ただし、プログラムの構成要素のうち、データ処理を行う部分は特定のファイル形式に依存しない汎用的なものであり、また、標準言語(C++)で記述しているので、移植やカスタマイズが容易である。
- このプログラムは、農業工学研究所の許諾のもとで、Windowsのコマンドプロンプトから実行されるコンソールアプリケーション、またはソースプログラムの形態で利用できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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カテゴリ |
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