多様化する新規就農希望者に対応した研修制度の分析

タイトル 多様化する新規就農希望者に対応した研修制度の分析
担当機関 地域振興政策部
研究期間 2002~2003
研究担当者
発行年度 2002
背景・ねらい 近年における農外からの新規就農希望者の増加を背景に、営農技術を習得するための研修体制の整備が進んでいる。就農希望者には専業的農業から自給的農業まで様々なタイプが存在しているが、それぞれに応じた技術研修は十分に実施されていない。
本研究では、多様化する就農希望者を類型化したうえで、各類型ごとの技術研修の実施状況を調査分析し、今後の研修制度のあり方について検討を行う。
平成14年度は、新規就農希望者を経営志向型と生活志向型に類型化し、技術研修の実施状況を調査分析する。ここでは特に、経営志向型に着目し、全国的なアンケート調査(全国新規就農相談センター『新規就農者(新規参入者)の就農実態に関するアンケート調査分析』2002年3月、回答者413名)を用いて、受け入れ先や研修プログラムについて内容を整理する。
成果の内容・特徴
  1. 新規参入者を就農時年齢別にみると、就農理由や経緯に相違がみられる(表1)。青年・若年層は経営として自立する意識が強いことから、経営体育成を目的とする支援サイドの考えと合致する。そのため、若年・青年層では、農業研修の受講や農業法人の就業経験、市町村等の就農支援措置を受けた割合が中高年層よりも高くなっている。他方、中高年層は農村生活に対する意識が強く、年齢的なハンディもあるため支援を受けることが困難な状況にある。その結果、彼らは借地や借入金への依存度が低く、自己資金を主体に就農準備を進めることとなる。
  2. 就農に必要な全体的知識を農業研修で習得した者は、全体の71%である。この習得状況を各項目別にみると(表2)、高学歴で研修時年齢が若く、研修期間が長い者、さらに農家・農業生産法人で研修を受けた者の割合が高くなっている。なかでも、研修時年齢は、全体的知識の習得状況と関連が強い。また、研修内容では、いずれも習得状況との関連がみられ、特に販売や経営管理、経営理念の研修が有意となっている。以上のことから、経営志向型の若年者の研修希望が多く、経営管理など総合的な技術研修が可能な農業法人の重要性が提起される。
  3. 農業法人就業促進事業表4)。経営志向型の就農希望者の受け皿として、農業法人の役割は今後さらに高まることが予想される。
(註)研修プログラムを具備し、研修生と雇用・研修契約を結んだ農業法人に対し、研修生1人当たり11.2万円/月(期間は9ヶ月)を助成する制度である。この事業によって、研修生は計画的な技術研修と身分保証を受けることができ、農業法人にとっても将来的な人材確保を図ることが可能となる。
図表1 228513-1.jpg
図表2 228513-2.jpg
カテゴリ 経営管理 就農支援

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