地域活性化指標の策定と地域診断手法の開発

タイトル 地域活性化指標の策定と地域診断手法の開発
担当機関 地域振興政策部
研究期間 1999~2002
研究担当者
発行年度 2002
背景・ねらい 農山村地域における過疎・高齢化の進行等による地域活力の低下は,農林業生産活動の停滞とともに農林地資源の荒廃をも招いており,多くの自治体で地域の活性化を図ることが急務となっている。本研究では,非農業部門を含め総合的,かつ動態的に地域活性化状況を把握し,立地条件による活性化状況の差違とその要因を明らかにする。併せて,これら分析データを用いた市町村の活性化診断手法を開発する。
地域の活性化状況を示す統計指標を各種センサス結果等から収集・加工し,地域の活性化状況を定量的に把握するための指標体系化を図る。しかる後,この指標体系に基づきカテゴリー別の活性度を主成分分析等により算出し,活性化状況の地域性とその要因を検討する。また,これら分析過程で得られたデータを用いた地域活性化診断システムを開発し,モデル市町村でのシミュレーションを行う。
成果の内容・特徴
  1. 地域の活性化状況を定量的に捉えるため,「人口定住」,「経済活動」,「農業活動」,「林業活動」の四つのカテゴリー別に合計44指標からなる指標体系を構築した(図1)。この指標体系は,各カテゴリーごとにウエイト付けを行いながら「総合活性度」を求めるものである。
  2. この指標体系に基づき全国2,469市町村の各活性度を算出した後,地域別の平均市町村活性度を求め,これにより活性化状況の地域性を検討した。その結果,以下の点が明らかとなった。
    (1) 「農業活性度」は地域ブロックでは北海道,地域類型では平地畑地型で突出して高く,山陰,山陽および山間水田型地帯の活性度は低い。また,「林業活性度」は九州の両地域で高く,北海道で低い。農業地域類型別には山間水田型地帯および同田畑型地帯で高い。
    他方,「経済活性度」は南関東,東海,近畿といった大都市圏域の地域で高い。また,「定住活性度」が全国平均を上回るのは東北から近畿にかけての各地域と北九州の8地域であり,「経済活性度」の6地域を上回る。山陽および四国の「定住活性度」は極めて低い。農業地域類型別には「経済活性度」,「定住活性度」ともに平地農業地域から山間農業地域へと得点が低下し,両地域類型間の得点差は大きい(表1)。
    (2) 「経済活性度」に「農林業活性度」を加えた「産業活性度」と「定住活性度」とには有意な相関関係があり(決定係数:0.470),「産業活性度」が高い市町村は総じて「定住活性度」も高い傾向にある。この傾向は平地農業地域および中間農業地域で強く,山間農業地域でやや弱い。
    (3) 都道府県ごとに「総合活性度」を求めると,東北を除く東日本および東海の各県で平均市町村活性度が高く,中四国や近畿・九州の一部など西日本の県で低い。平均市町村活性度が最も高いのは滋賀県(59.3点),最も低いのは広島県(42.5点)である。
  3. 市町村ごとの地域活性化状況を診断するために,活性度算出に用いた基礎指標データ,各活性度得点,活性化評価区分を用いた「地域活性化診断シート」を作成した(図2)。
    同じ地域類型区分の市町村平均や都道府県平均との比較,さらには,各活性度得点に基づく全国順位等が一目でわかることから,個々の市町村の活性化状況を客観的に把握することが可能となった。
図表1 228515-1.jpg
図表2 228515-2.jpg
図表3 228515-3.jpg
カテゴリ 加工 診断技術 水田

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