フランスにおける食品表示の課題−ラベル・ルージュ家禽肉を対象に

タイトル フランスにおける食品表示の課題−ラベル・ルージュ家禽肉を対象に
担当機関 国際政策部
研究期間 2001~2003
研究担当者
発行年度 2002
背景・ねらい 欧州各国において、牛海綿状脳症BSEや遺伝子組み換え作物GMOなど、食品安全性問題を契機に、農業政策のあり方に厳しい見方がなされるようになっている。こうした食品安全性の論議は農業政策の形成にどのような役割を演じることになるのであろうか。フランスを事例に、食品表示のあり方を検討する。
13年度は食品の表示制度についての理論経済学的検討と主要先進各国における当該制度についての文献研究を行った。14年度は、フランス農業省や関連省庁、公的機関などのホームページから資料を入手したり、研究者による関連文献を収集し、解析を行った。とりわけ、農産物・食品の偽装表示の監視システムについて、ラベルルージュ家禽肉を事例に文献資料の分析を行った。
成果の内容・特徴 フランスにおいては、近年、有機農産物の偽装表示事件が頻発している。これは、牛海綿状脳症BSEの影響により、有機畜産物、その飼料としての有機穀物への需要が増大し、生産がこれに追いつかなかったことが主要な原因と見られている。
フランスでは食品偽装監視システムは1905年に始まった。どのような食品表示システムが選択されるかは、各国の制度環境によるが、フランスの場合、経済財務省による公的な監視の他に、生産者間での緊密な連携(農家グループや加工業者、流通業者など)が、全体として食品監視コストを削減するように働いていると考えることができる。
伝統的に、品質表示政策を企業の商標管理へと焦点化させてきた北欧諸国と、独自の地域ブランド振興を政策的に追求してきた南欧諸国との間での、品質表示政策の相違の検討が興味深い課題をなしている。例えば、1997年時点で、欧州連合において1,861のこうした地域ブランドが存在していたが、その内訳はイタリアが531、フランス498、ギリシア211、スペイン196、ポルトガル196に対し、ドイツ78、英国56、オランダ42、アイルランド19、オーストリア19、スウェーデン18、ベルギー17、デンマーク16、ルクセンブルク10、フィンランド8であった。アングロサクソンのファーストフード的な食文化と南欧のスローフード的な食文化との違いが、ここにも観察される。  
表:フランスの農産物・食品監視システム
表:標準鶏とラベルルージュ鶏の平均特性
図表1 228518-1.jpg
図表2 228518-2.jpg
カテゴリ 有機農産物 加工 コスト 地域ブランド

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