タイトル |
野菜の加工・業務用需要の動向と需要の基本的特性 |
担当機関 |
評価・食料政策部 |
研究期間 |
2003~2004 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
2004 |
背景・ねらい |
単身世帯の増加や食の簡便化志向の高まり等を背景として,外食・中食等の家庭外で調理された食料の消費の増加,すなわち「食の外部化」が進展している。「食の外部化」の進展は,加工・業務用需要の増加と表裏の関係にあり,今後,食料自給率を高めていくためには,加工・業務用需要に対応した国内生産・供給体制の整備が必要となる。 こうした問題意識の下,本研究は,主要野菜を対象として,用途別需要の動向と特徴を探り,国内産地における主な対応課題を明らかにすることを目的としている。 平成2年度と12年度の主要野菜の品目別需要量(粗食料ベース)を,家計消費需要と加工・業務用需要に分解し国産・輸入品別に推計する。 家計消費需要量は,『家計調査年報』の購入量,『農家生計費統計』から得られる趨勢値等を利用して推計する。加工・業務用需要量については,食品加工企業及び外食・中食企業を対象として実施したアンケート調査及びヒアリング調査のほか,統計資料等から算出した野菜仕入金額等を基に推計を行う。
|
成果の内容・特徴 |
- 平成2年度から12年度にかけて,主要野菜(ばれいしょを除く指定野菜13品目)の国内消費仕向量は,国内生産量が約114万トン減少したのに対し,輸入量(生鮮換算)が約98万トン増加したことから,約16万トンの減少となっている。こうした状況の中,同期間に,家計消費需要が減少し,加工・業務用需要が増加している品目が大半を占めており,野菜においても「食の外部化」が進展している(表1)。
- 図1は,平成2年度と12年度の加工・業務用需要における輸入割合を示したものである。主要野菜全体の輸入割合は,家計消費需要では0.5%から2%へわずかな上昇にとどまっているのに対し,加工・業務用需要においては12%から26%へ大きく上昇している。主要野菜における輸入量の増大は,主として,加工・業務用需要における輸入品利用の増加と結びつきながら進行しているものといえる。
このことは,(1)今後野菜の自給率向上を図るためには,加工・業務用需要への国内対応を強化する必要があること,(2)そのためには,輸入品への対抗という視点が不可欠であり,当該品目の輸入の特徴等を踏まえた対応が求められること等を意味する。
- また,家計消費需要と加工・業務用需要においては,実需者から求められる基本的特性が異なっており(表2),今後国内産地においては,低コスト化はもとより,こうした基本的特性の相違も念頭に置きながら,加工・業務用需要にきめ細かに対応した生産・供給体制を早急に構築する必要がある。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
カテゴリ |
加工
低コスト
ばれいしょ
|