ハウスミカンの地中冷却を組み合わせた超促成栽培 徳島果試

タイトル ハウスミカンの地中冷却を組み合わせた超促成栽培 徳島果試
担当機関 徳島県果樹試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 山尾正実
津村哲宏
林 秀典
発行年度 1998
要約 ハウスミカン栽培体系において、5月にせん定を行い、母枝を十分に硬化させ、被覆予定前の75~90日間主要根群域温度を15℃に冷却制御することにより安定した着花を得ることが出来る。これにより上野早生では10月1日から、宮川早生では10月15日から被覆・加温する栽培体系が可能となる。花芽分化確認方法として母枝の水挿し法以外に母枝内の炭水化物(デンプン、マルトース)含量が指標となる可能性が高い。徳島県果樹試験場
背景・ねらい ハウスミカン面積が全国的に拡大され、産地間競争が激化するに従い、高糖度、早期出荷のために極端な水分制御や加温の早期化など樹体生理の限界に近い栽培管理がなされている。このため、樹勢の低下や着花不良により生産が不安定になり経営か悪化しつつある。
そこで、夏季に地下部を冷却し人為的に花芽分化を誘導し、10月に被覆・加温する超促成栽培が一部導入されているが、それでも着花は著しく不安定て、早急に生産安定技術の確立を図る必要がある。
成果の内容・特徴
  1. 地中冷却を組み合わせた超促成栽培ではせん定後発芽した母枝の硬化程度がその後の花芽分化に影響を及ぼす。地中冷却期間は75~90日程度必要である(表1)。
  2. 地中冷却60日目頃から母枝内にデンプン、マルトースか集積してくる。同時に発芽率、着花率も上昇する(表2)。
  3. 地中冷却を現行の栽培体系に組み入れると上野早生では5月上旬せん定、7月1日地中冷却開始、10月1日加温、4月上旬収穫が、宮川早生では5月中旬せん定、7月15日地中冷却開始、10月10日加温、4月下旬収穫が可能となる(図1)。

成果の活用面・留意点
  1. 地中冷却期間中は地表面をシートで覆い出来るだけ地温の上昇を抑え、ハウス内への雨水の浸入を防き土壌を乾燥させることが重要である。
  2. 主要根群域が冷却パイプから外れないようにするための根域制限処置が必要である。
  3. 花芽確認のために定期的に水挿し検定、母枝内の炭水化物含量を必ず測定することが必要である。

図表1 228678-1.jpg
図表2 228678-2.jpg
図表3 228678-3.jpg
カテゴリ 温州みかん 乾燥 経営管理 栽培技術 栽培体系 出荷調整

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