乳牛の夏バテ症候群発現時期の予測技術

タイトル 乳牛の夏バテ症候群発現時期の予測技術
担当機関 徳島県畜産試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 戸田克史(愛媛畜試)
十川政典(香川畜試)
中井文徳(徳島畜試)
発行年度 2000
要約 西南暖地における乳牛夏バテ症候群の発現時期は、暑熱環境と泌乳牛の生理・生産反応との関係から、呼吸数をモニタリングすることで予測が可能である。この簡便な方法を用い、的確な防暑対策の開始時期の特定が可能となる。
背景・ねらい
夏バテ症候群と称した暑熱環境がもたらす乳量の低下、牛体異常、夏期以降に現れる繁殖性の低下等の諸症状には、その発現時期を早期発見する技術がないため、泌乳牛にたいする防暑対策がおくれ、四国地区に甚大な暑熱被害をまねいている。
そこで生産現場で簡便に利用できる夏バテ症候群発現時期の予測技術を開発し、防暑対策の開始時期を特定し、当該地区における酪農経営に与える暑熱被害を低減する。
成果の内容・特徴
  1. 体感温度(0.35×乾球温度+0.65×湿球温度)で表示した乳牛の生理・生産反応の変化温度は呼吸数は19℃直腸温は21℃、そして乳量は日平均22℃付近であり、呼吸数が最も早期に暑熱ストレス負荷を検知できる指標となる。(図
    1,2,3)
  2. 個体別に見た乳量水準と呼吸数との間には次式が成立する(図4)。
    基準不快体感温度(℃) = -0.17 ×乳量水準(kg/日) +24.16 (r=0.686***)この関係式により、個体毎あるいは牛群の乳量水準に応じた防暑対策の開始時期の特定が可能となる。なお、基準不快体感温度とは呼吸数に影響を及ぼす体感温度のことである。
  3. 個体別の日積算不快体感温度(体感温度と基準不快体感温度の差の24時間積算値)と乳量の関係(±20℃以内で乳量が低下し始める)からみて、日平均体感温度が基準不快体感温度とほぼ等しくなった頃が防暑対策の強度切り換え時期である(図5)。
成果の活用面・留意点
  1. 春季から基準不快体感温度をコンピュータ機器により自動的に計測することで、防暑対策機器の自動制御化が可能となる。
  2. 呼吸数のモニタリングは、呼吸数の比較的安定している早朝に実施し、また、できるだけ早期に防暑対策を実施するためは、暑熱期に乳生産のピークを迎える個体を対象とする必要がある。
  3. 本成果は、4月以降の夏季に限って適用できる。

図表1 228866-1.jpg
図表2 228866-2.jpg
図表3 228866-3.jpg
図表4 228866-4.jpg
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カテゴリ 経営管理 自動制御 乳牛 繁殖性改善 モニタリング

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